生禿は高校生のときに、鶴見の総持寺で断食座禅の修行をしたことがあります。
というと、抹香臭いと思われるかも知れませんが、当時の大脳生理学(現在では脳科学とか神経科学とか言います)と、現在の仏教とは何の関係もない科学者ゴータマ・シッダールタの教えによるものです。

座禅とは、一つのことを深く考えるために望ましいやり方です。
その昔、シッダールタは座禅の名手に教えを請い、座禅による「境地」に到達する技術を学びました。具体的には、座禅によって脳内モルヒネの一種であるドーパミンの分泌を活発にして「イイ気持ち」になる方法です。それは、真理に至る境地などとは程遠いものです。これを見抜いたシッダールタは、その無明に呆れて師のもとを去っていきます。

ですが、シッダールタは既にこの方法の使い方を身に付けたのです。座禅によって得られる気分は、ドーパミンの化学的な作用でしかありませんが、同時にそれは論理的な思考を深める機能があるのです。現在の脳科学では脳内モルヒネは、記憶などの脳神経活動を活性化させることが実験的に証明されています。
これをゴータマは利用して、座禅による「瞑想」という思考の技術を身に付けたわけです。座禅は皆さんがイメージするような格好をする必要はありません。例えば、電車の中で、半眼からゆっくりと目を瞑り、静かに呼吸を整え、穏やかに思考に入っていく。慣れてくれば、これも座禅です。

次に、断食の効果です。断食というと苦行のように思われますが、現代的に言えばデトックスの一手法です。最初の内は、3日かけて徐々に食べるものを質量ともに軽くしていきます。全く何も食べないのは1日だけです。そして、5目からは、少しずつ食べる質量を戻していきます。医学的には、胃下垂の治療に用いられます。ポイントは、4日目(絶食日)ごろに宿便が出て、お腹がスッキリすることです。真っ黒な宿便が大量に出ると「最強のデトックス」が実感できます。身も心も軽やかになります。そして、思考が「透明」になります。

この効果は、本当に驚きです。何故なら、それまで理解不能だった数式がスラスラ読めるのです。騙されたと思って試してみて下さい(但し、最初は断食道場の専門医などの指導を下で行なって下さい)。驚異的な思考力の高まりを経験されることでしょう。
但し、この思考力向上法には欠点があります。それは、考えた内容を記憶し難いということです、ですから、断食で思考する時には、事細かにメモを取ることをお勧めします。後で「なぜこのように考えたのか」が理解できるように「思考の筋道」をなるべく具体的に記述します。とは言え、「解る」時にはパッと解るので難しいのですが。つまり、他人に説明するときに困るのです。「感性」とはそういうものなのでしょうから、多少のことは諦めて下さい。勿論、考えた結果=結論は通常の思考には及ばない妥当性がありますので安心して下さい。
断食の効果は、現在の脳神経科学では解明できていませんが、宿便後に「思考が透明になる」ことは多くの人々が体験していることです。

脇道に逸れますが、断食後に何を食べるかで楽しむことができます。生禿はプレーンヨーグルト(ブルガリア・ヨーグルトがお勧め)がお気に入りです。何が起こるかというと、例えばヨーグルトの場合は、鮮やかなビックリするぐらい綺麗な緑色の便が出るのです。触っても汚い感じがしませんし、臭っても臭くないのです!絵の具にしたいぐらいです。

話を元に戻しましょう、つまり、断食座禅は「思考技術」なのです。「瞑想」というと高尚ですが、何を考えても構いません。仕事のことでも趣味のことでも、何でも構いません。技術をどう使うかは個人の自由です。

曹洞宗は、いつでも誰でも修行者を受け容れます。予約などは要らないのが原則です。総持寺(http://sojiji.jp/index.html)では、泊まり込みの座禅修行ではブラッと行って門を叩くだけでOKな筈です(昔と同じなら)。但し、断食のやり方は指導してくれません。

生禿は、勝負の意志決定の時には断食座禅を習慣にしています。

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