「インテリジェンス − 武器なき戦争」手嶋龍一/佐藤優著(2006年 幻冬舎新書)は、この手の本の中ではベストセラーに入る
最近、佐藤優氏は裁判中にも拘わらずテレビに出演が多い
日本には、ホンモノの外交を語る人材が不足しているのかも知れない
この本の中に、「インテリジェンス(情報戦)のプロは約束を守る 守れない約束はしない これ以上は踏み込んではならないことは敢えて聞かない」という言葉ある
どの世界でも、プロがプロであるための約束事は同じなのだろう
イラク戦争前の情勢について、「バクダッド攻略は難しくない」が「イラクの治安を回復し、中東の平和をもたらすのは絶望的なほど難しい」という見識を述べている
そして、イスラエルの思惑としては、大量破壊兵器はイラクには存在しないが、アメリカがイラクを叩けば泥沼化して解決しないから、ずっとアメリカがいることになる
今の状況では永遠に中東で紛争が続くことが、イスラエルの生き残りにとってはプラスである、ということらしい
ブッシュ政権下で勢力を伸ばした、ネオコンの特徴については、
・民主党リベラル派からその外交・安全保障政策に落胆して保守派に移ってきた左派からの転向者である
・大半がユダヤ人である
・ニューヨーク市立大学出身の世界自由民主主義革命グループが中心となっている
のだそうである
外交は薄っぺらい論理が重要だという
2005年の北京の大使館襲撃は、「国際法違反で悪い」というだけでいい
そこに歴史問題などを絡めると複雑になり過ぎる、と言うのである
なるほど、シンボルをめぐる闘争は果てしない
宗教戦争が最も残虐な戦争であるというのは歴史的事実である
靖国神社をめぐる論争も、人間の表象能力によっていくらでもエスカレートさせることができる
だから、薄ぺっらい論理で押し通せばいい、という主張には頷ける
「人材を育てるのが先で、組織を作るのは後」の指摘は、「ビジョナルカンパニー?」と同じである
そして、「組織を先に考える官僚的な発想では仕事はできない」「今は官僚の力が強くなっているので難しい」と言う
こういう評価を見ると「脱官僚政治」を掲げる「民主党に一票」という気持ちになってしまう(もっとよく考えてから結論は出したい)
最後に、この本の中で、生禿が最も注目したエピソードをご紹介しよう
1987年のブラックマンデーのとき、シカゴの商品取引所は最後まで市場を閉じなかったのだそうだ
当時の取引所の会長レオ・メランド氏は、「杉原サバイバル」だった
氏は「私は(命のビザを発行する)自由な(開かれた)市場の大切さを知っている」だから「これはシステムの話ではなく信念なのです」と語ったという
同じ日本人として、杉原千畝氏の勇気ある行動が、多くの人の心に深く刻まれていたことに感動を覚えた
最近、佐藤優氏は裁判中にも拘わらずテレビに出演が多い
日本には、ホンモノの外交を語る人材が不足しているのかも知れない
この本の中に、「インテリジェンス(情報戦)のプロは約束を守る 守れない約束はしない これ以上は踏み込んではならないことは敢えて聞かない」という言葉ある
どの世界でも、プロがプロであるための約束事は同じなのだろう
イラク戦争前の情勢について、「バクダッド攻略は難しくない」が「イラクの治安を回復し、中東の平和をもたらすのは絶望的なほど難しい」という見識を述べている
そして、イスラエルの思惑としては、大量破壊兵器はイラクには存在しないが、アメリカがイラクを叩けば泥沼化して解決しないから、ずっとアメリカがいることになる
今の状況では永遠に中東で紛争が続くことが、イスラエルの生き残りにとってはプラスである、ということらしい
ブッシュ政権下で勢力を伸ばした、ネオコンの特徴については、
・民主党リベラル派からその外交・安全保障政策に落胆して保守派に移ってきた左派からの転向者である
・大半がユダヤ人である
・ニューヨーク市立大学出身の世界自由民主主義革命グループが中心となっている
のだそうである
外交は薄っぺらい論理が重要だという
2005年の北京の大使館襲撃は、「国際法違反で悪い」というだけでいい
そこに歴史問題などを絡めると複雑になり過ぎる、と言うのである
なるほど、シンボルをめぐる闘争は果てしない
宗教戦争が最も残虐な戦争であるというのは歴史的事実である
靖国神社をめぐる論争も、人間の表象能力によっていくらでもエスカレートさせることができる
だから、薄ぺっらい論理で押し通せばいい、という主張には頷ける
「人材を育てるのが先で、組織を作るのは後」の指摘は、「ビジョナルカンパニー?」と同じである
そして、「組織を先に考える官僚的な発想では仕事はできない」「今は官僚の力が強くなっているので難しい」と言う
こういう評価を見ると「脱官僚政治」を掲げる「民主党に一票」という気持ちになってしまう(もっとよく考えてから結論は出したい)
最後に、この本の中で、生禿が最も注目したエピソードをご紹介しよう
1987年のブラックマンデーのとき、シカゴの商品取引所は最後まで市場を閉じなかったのだそうだ
当時の取引所の会長レオ・メランド氏は、「杉原サバイバル」だった
氏は「私は(命のビザを発行する)自由な(開かれた)市場の大切さを知っている」だから「これはシステムの話ではなく信念なのです」と語ったという
同じ日本人として、杉原千畝氏の勇気ある行動が、多くの人の心に深く刻まれていたことに感動を覚えた