経路解析(パス解析)とは、「何をどうしたら目的とする結果が得られるのか」というマーケティング・モデルを開発するものです。

パス解析は、数学的には分析手法の中でも最も難しいネットワーク解析の一つで、最終的な結果への作用の流れを解析するものです。

但し、変数間の相関係数を描いた相関図を見つめ、変数間の関係を判定し、作用の流れを見定めさえすれば、必ずしも経路解析のパス係数そのものの計算を行なう必要はありません。

経路解析でも、特定の変数間の作用の有無は人間が判断しなければならないので、相関図を見つめるプロセスは経路分析を行なっているのと同じだからです。

実務的には、重回帰分析で目的とする結果に対して、プラスに作用するはずの要因(説明変数)がマイナスの回帰係数を示したような場合、その説明変数を除外して重回帰分析を行ない、その実績値と推定値の残差を、除外した変数で説明する回帰モデルを作成するなどの便宜的な方法もあります。

まず、目的変数に直接作用する変数による分析を行ない、次に、直接-主要な要因ではない間接的に作用する変数(要因)や、主要因と相互作用の強い要因の作用を分析するのです。

これは、重回帰分析の前提である、全ての変数が直接的に、かつ、変数間の相互作用が無いという制約を解決するものです。

残差分析は、理論的な方法というより、実務的なやり方です。
間接作用と相互作用を含む要因の解析を行なうには、理論的には経路解析の考え方を身に付ける必要があります。

詳しくは、<βマーケティング編集室メールマガジン第11号 マーケティング数学シリーズ第三回>をご覧下さい。