生禿が、オープン流通では情報提供機能が弱すぎて「価値のある商品が売れない」と、メーカー直送のビジネスを仕掛け始めたのは10年以上前。お客様にダイレクトに語り掛け、直接お届けすれば「良いモノは必ず売れる」という信念がありました。
当時のお金にも精神的にも「ゆとりがある」のは、子育てを終えた「悠々自適」な人々でした。JALの企業年金のように高額な年金を得ている方も多く、高度成長期に住み替えを繰り返し、最終的にローンを完済した庭付き一戸建てからマンションに引っ越して高額な預貯金がある方もいます。
中心は「闇市世代」です。戦中の忠誠心を叩き込む教育と戦後の民主教育を両方受け、戦後の焼け跡の苦しく貧しい時代に育っています。戦前の日本的な豊かさを知らす、アメリカ型の物質文明=モノの消費に対する憧れが強い世代です。
闇市世代は、通販的に言えば「良いお客様」です。苦情は少ないし、良いモノならポンと買ってくれます。モノへの渇望感がある世代ですから、1年分をまとめて買って下さる「大人買い」も容易に誘導できます。
そして、メーカーとしての「こだわり」を素直に理解し、価値を認めて下さいます。何よりも有り難いことです。バブルが崩壊し、付加価値の高い商品が売れなくなった時に、生禿が拘り商品のお客様として頼りにしたのも当然でしょう。
この成功に刺激されて?その後、多くのメーカーが「拘り商品の直販」(単品通販)に手を染めていきます。ですが、流通に遠慮して自社の基幹商品領域を避けるものですから、なかなか成功はしません。それでも「通販は儲かる」ということになってしまいました。生禿には、そんなつもりは全くありませんでした。通販ではなく、価値あるものを直接お届けする「直送事業」をやったつもりだったからです。
それは兎も角、問題はかつての60代の方々は現在は70代です。私が手掛けた「拘り直販」のお得意様も70歳を超える方が多くなりました。「最近、注文が無い」と気にしてお電話すると「亡くなったんですよ」という声を聞くことが多くなったそうです。
マーケッターはお得意様の自然減を解決することはできません。不老不死の妙薬はありません。ご冥福を祈るだけです。
「拘り直販」は危機に瀕しています。新たなゆとり世代は、団塊の世代です。様々な物事に批判的な全共闘世代でもあります。ですから、最近のクレームはかつてと違うそうです。妙な社会的正義感を主張されるちょっと困った方が増えたのです。「貴重なご意見」を頂戴した御礼を差し上げようと申し出たりすると逆上したりします。「俺はいい、他の客はどうするんだ!」「会社としてどう考えているか会社を代表して『総括しろ!』」などのご発言に、アルバイトのオペレーターは困惑してしまいます。
「拘り直販」は、お客様の中核となる「モノ渇望世代」でもある焼跡/闇市世代の自然減によって収束するでしょう。現在の60歳代も「拘り直販」にそれなりに参加はして下さいますが、お得意様にはなってくれる方はかつての60代の方より少ないのです。
当時のお金にも精神的にも「ゆとりがある」のは、子育てを終えた「悠々自適」な人々でした。JALの企業年金のように高額な年金を得ている方も多く、高度成長期に住み替えを繰り返し、最終的にローンを完済した庭付き一戸建てからマンションに引っ越して高額な預貯金がある方もいます。
中心は「闇市世代」です。戦中の忠誠心を叩き込む教育と戦後の民主教育を両方受け、戦後の焼け跡の苦しく貧しい時代に育っています。戦前の日本的な豊かさを知らす、アメリカ型の物質文明=モノの消費に対する憧れが強い世代です。
闇市世代は、通販的に言えば「良いお客様」です。苦情は少ないし、良いモノならポンと買ってくれます。モノへの渇望感がある世代ですから、1年分をまとめて買って下さる「大人買い」も容易に誘導できます。
そして、メーカーとしての「こだわり」を素直に理解し、価値を認めて下さいます。何よりも有り難いことです。バブルが崩壊し、付加価値の高い商品が売れなくなった時に、生禿が拘り商品のお客様として頼りにしたのも当然でしょう。
この成功に刺激されて?その後、多くのメーカーが「拘り商品の直販」(単品通販)に手を染めていきます。ですが、流通に遠慮して自社の基幹商品領域を避けるものですから、なかなか成功はしません。それでも「通販は儲かる」ということになってしまいました。生禿には、そんなつもりは全くありませんでした。通販ではなく、価値あるものを直接お届けする「直送事業」をやったつもりだったからです。
それは兎も角、問題はかつての60代の方々は現在は70代です。私が手掛けた「拘り直販」のお得意様も70歳を超える方が多くなりました。「最近、注文が無い」と気にしてお電話すると「亡くなったんですよ」という声を聞くことが多くなったそうです。
マーケッターはお得意様の自然減を解決することはできません。不老不死の妙薬はありません。ご冥福を祈るだけです。
「拘り直販」は危機に瀕しています。新たなゆとり世代は、団塊の世代です。様々な物事に批判的な全共闘世代でもあります。ですから、最近のクレームはかつてと違うそうです。妙な社会的正義感を主張されるちょっと困った方が増えたのです。「貴重なご意見」を頂戴した御礼を差し上げようと申し出たりすると逆上したりします。「俺はいい、他の客はどうするんだ!」「会社としてどう考えているか会社を代表して『総括しろ!』」などのご発言に、アルバイトのオペレーターは困惑してしまいます。
「拘り直販」は、お客様の中核となる「モノ渇望世代」でもある焼跡/闇市世代の自然減によって収束するでしょう。現在の60歳代も「拘り直販」にそれなりに参加はして下さいますが、お得意様にはなってくれる方はかつての60代の方より少ないのです。
通販が百貨店やCVSの売上を抜いたと某経済誌の記事にありました。記事を見ているとお客様の動きをちゃんと見ていないな〜と思わざるを得ません。(マスコミに市場の動きが理解できる筈は無いのですから、当たり前ですよね)
通販の代表としてK社やS社のどちらかと言えば「拘り直販」系のものが取り上げられていました。これは、前述のように、後10年もすれば人口統計学的な要因で衰退します。
今後、伸びると思われるのは、宅配サービスとネット販売です。
高齢化に伴い、重量嵩物商品や、住居と距離のある店舗での購買は、[電話/ネットで購買〜ご自宅にお届け]への代替が増加します。これは、「通販」事業で はなく、「宅配」(電子ご用聞き)事業です。ネットスーパーなど、SMや百貨店、ディスカウンターの宅配サービス需要は増加するでしょう。
店舗を核としたお届けサービスが、通販の技術と一体となって展開されるというものです。これは、ずっと昔から予測されていたものです。
かつて、通販業界をリードした感のあった高島屋のカタログ通販は「拘り商品」系で、宅配ニーズはありませんでした。通販カタログで見たものを買いに来店さ れるお客様が増え、結果としてカタログ限定の商品が減少し、百貨店通販が衰退する一因となりました。郊外の百貨店では、お届け機能を付加すれば売上が伸び るという単純な図式ではなく、マーチャンダイジングの根本から見直さなければいけません。売り方以前に、売る物に「お客様が欲しがる価値」が無ければどう することもできません。その上でなら、百貨店にもチャンスはあります。
実店舗を核とした宅配サービスは、店舗が今現在扱っている商品を熟知したスタッフにしかできないものです。
女性の就業の増加に伴って、平日の店舗での買物が減少し、通販利用が増加することも私の学生時代から予測されていました。近年は、携帯電話の機能が充実 し、モバイルでファッション系の商品が衝動買いされることが増えました。ネット通販ではPCよりもモバイルの売上の方が大きくなっています。PCでは、ミ クシーなど話題になった商品を「その時その場で」買う行動が注目されます。最早、楽天やヤフーなどの通販ポータルサイトの時代では無いのかも知れません ネ。
PCのポータルサイトは一覧性に優位性があります。モバイルの小さな画面では「お勧め商品」を訴求することは出来ますが、一覧性を確保するのは難しいと思 われます。何時でも何処でも見ることができるモバイルは、衝動買いを誘発するのに有利です。目的購買はPCに向いていますが、衝動買いは断然モバイルで しょう。しかも、目的購買では価格比較が中心になりがちです。事実、楽天は価格比較サイトの様相を呈しています。これでは、デフレスパイラルに勢いをつけ ることはあっても、付加価値の高いビジネスは成り立ちません。
モバイルでの衝動買いにも問題が無い訳ではありません。短時間に購買を刺激しなければならないので、短絡的な訴求が増えざるを得ません。しつこくもなりま す。ビジネスが「獣化」しているという指摘もあるぐらいです。お客様が離れてしまう危険と隣り合わせなのです。消費者庁の発足、オプトイン規制など、消費 者保護の動きも強まっています。
生禿ば、既に通販の時代では無くなっている可能性もあるのではないかと感じています。一方で、日本の流通業の生産性、付加価値の高い商品の販売力、そして、収益性の低さは今も解決していません(だから、通販が流行るのですが)。
日本には、新しい「売る仕組み」が必要です。それをなんとか作り上げなければなりません。これが、生禿の最後の仕事です(ご大層に、勝手にそう思い込んでいます)。
通販の代表としてK社やS社のどちらかと言えば「拘り直販」系のものが取り上げられていました。これは、前述のように、後10年もすれば人口統計学的な要因で衰退します。
今後、伸びると思われるのは、宅配サービスとネット販売です。
高齢化に伴い、重量嵩物商品や、住居と距離のある店舗での購買は、[電話/ネットで購買〜ご自宅にお届け]への代替が増加します。これは、「通販」事業で はなく、「宅配」(電子ご用聞き)事業です。ネットスーパーなど、SMや百貨店、ディスカウンターの宅配サービス需要は増加するでしょう。
店舗を核としたお届けサービスが、通販の技術と一体となって展開されるというものです。これは、ずっと昔から予測されていたものです。
かつて、通販業界をリードした感のあった高島屋のカタログ通販は「拘り商品」系で、宅配ニーズはありませんでした。通販カタログで見たものを買いに来店さ れるお客様が増え、結果としてカタログ限定の商品が減少し、百貨店通販が衰退する一因となりました。郊外の百貨店では、お届け機能を付加すれば売上が伸び るという単純な図式ではなく、マーチャンダイジングの根本から見直さなければいけません。売り方以前に、売る物に「お客様が欲しがる価値」が無ければどう することもできません。その上でなら、百貨店にもチャンスはあります。
実店舗を核とした宅配サービスは、店舗が今現在扱っている商品を熟知したスタッフにしかできないものです。
女性の就業の増加に伴って、平日の店舗での買物が減少し、通販利用が増加することも私の学生時代から予測されていました。近年は、携帯電話の機能が充実 し、モバイルでファッション系の商品が衝動買いされることが増えました。ネット通販ではPCよりもモバイルの売上の方が大きくなっています。PCでは、ミ クシーなど話題になった商品を「その時その場で」買う行動が注目されます。最早、楽天やヤフーなどの通販ポータルサイトの時代では無いのかも知れません ネ。
PCのポータルサイトは一覧性に優位性があります。モバイルの小さな画面では「お勧め商品」を訴求することは出来ますが、一覧性を確保するのは難しいと思 われます。何時でも何処でも見ることができるモバイルは、衝動買いを誘発するのに有利です。目的購買はPCに向いていますが、衝動買いは断然モバイルで しょう。しかも、目的購買では価格比較が中心になりがちです。事実、楽天は価格比較サイトの様相を呈しています。これでは、デフレスパイラルに勢いをつけ ることはあっても、付加価値の高いビジネスは成り立ちません。
モバイルでの衝動買いにも問題が無い訳ではありません。短時間に購買を刺激しなければならないので、短絡的な訴求が増えざるを得ません。しつこくもなりま す。ビジネスが「獣化」しているという指摘もあるぐらいです。お客様が離れてしまう危険と隣り合わせなのです。消費者庁の発足、オプトイン規制など、消費 者保護の動きも強まっています。
生禿ば、既に通販の時代では無くなっている可能性もあるのではないかと感じています。一方で、日本の流通業の生産性、付加価値の高い商品の販売力、そして、収益性の低さは今も解決していません(だから、通販が流行るのですが)。
日本には、新しい「売る仕組み」が必要です。それをなんとか作り上げなければなりません。これが、生禿の最後の仕事です(ご大層に、勝手にそう思い込んでいます)。