3.「わざわざありがとう御座います」 - 業務管理を考える

コールセンターの現場の業務管理について確認しましょう。

まず、評価基準は業務目標に対応するヒット率です。ビジネスが収益を挙げるためにはこれ以外の評価基準はありません。

評価基準をそのまま活動規準にしても現場は管理できません。評価基準は結果です。結果を評価しても結果は変わりません。結果に結び付く具体的な活動を導くものが管理/統制であって、評価することは管理ではないのです。

アウトバウンドの活動目的は(多くの場合)「わざわざ電話してくれてありがとう」というお客さまからの感謝表明です。一本一本の通話が感謝表明を目指したものになっていれば、自ずと結果は出ます(高いヒット率が実現されます)。

但し、活動目標だけでは精神論になってしまい、効果的に結果を出すことはできません。業務活動の手順毎に具体的な規準と目標がなければなりません。

ですから、活動目的を達成する最適な業務の筋道を明らかにします。その上で、手順毎の活動規準を特定し、具体的な活動を統制する活動目標を設定します。

*基準と規準
「基準」は、現実的な範囲で普遍性を持つもの
「規準」は、時と所によって異なり、かつ、改定と調整が必要なもの

業務管理は二つの側面について行われます。

1.最終的な結果を出すべく活動規準を統制する(インセンティブを含む)
2.活動目標へ向かう意思を鼓舞して、OP満足を導く

この二つは矛盾するものではありません。最終的には一つのものです(表裏ではなく渾然一体とした一つです)。ですが、管理統制面では明確に異なります。

例えば、作業場所には活動規準や評価基準に基づく成果を掲げ、休憩室にはお客様の感謝状(サンクスレター)を掲げるというように、使い分けることが必要です。また、朝礼では目標と成果を明示し、達成者を称賛して「やる気」を鼓舞します。その一方で、個別の指導では活動目的の再確認を出発点として、活動への「想い」を引き立てます。