先日、出版社のスタッフと打合せをしました。

今すぐ本を書くという訳ではないのですが、今やっているプロジェクトが成功したら、その体系をご紹介しようと考えています。日本のビジネスを元気にする本になる筈です。

まず、出版業界の現状を聞いてみると、どの業界でも共通ですが、売上が低迷し、在庫管理が厳しくなったそうです。特に、ビジネス書の落ち込みは激しく、2千円以上の少しでも高度な書籍の落ち込みは惨憺たるもののようです。また、アマゾンの電子出版への参入で、書籍の価格感は異なるものへ変わっていくでしょう。再販制度が崩壊するかも知れません。

「なぜ日本人は劣化したか」でも指摘されていたように、2百文字以上の文書を一纏りのものとして読むことが出来なくなっているというのは本当のようです。ビジネス書でも、ライトノベル調のものが流行っているようです。

最早、マーケティングの本も「物書き」が書く時代なのです。マーケティングの何たるかも知らない、まして、事業を成功させた実績も無い。そういう、マーケティングのド素人が、チャラチャラと書く、「マーケティングっぽい」ので「マーケティングのような」感じもするが、「マーケティングとは何の関係も無い」軽薄なだけの本しか売れない。そんな時代なのだそうです。

そんな本は、何の役にも立たないので生禿は書きません。

今、生禿が書くとしたら、意思決定が出来ない経営者の下で、マーケティング不在のマーケティング部門に居る方が、マーケティングなんぞ見たことも聞いたことも無くとも、「実際の仕事に役に立つ」本を買いてみたいと思っています。

マーケティングとは、事業の長期シナリオ(分岐点と方向)を描き、[商品企画〜製品開発〜流通設計〜販売計画〜販促展開]の業務全過程を設計し、全体を貫く考え方(STP)を共有し、基本方針(4Pミックスの枠組み)を実現する「仕組」のことです。つまり、個々のマーケティング要素に関する活動は、マーケティングとは何の関係も無い個々の活動に過ぎません。マーケティングは、それらの諸活動を連結し、売りの完結に向かう整合性を保証する機構のことです。

そういう観点で言うと、日本にはマーケティングを解説した本はありません。たとえ、マーケティングの本が存在したとしても、経営者が意思決定をせず、部門間統合の機能が不全な日本企業に勤務する人々にとっては、「実現不能な夢語り」です。結果として、「役立たず」なものになってしまいます。

生禿が書きたいのは、意思決定とマーケティングが不在な日本でも、マーケティングすることが「出来るやり方」の指導書です。つまり、経営者の承認を必要としない予算と体制の範囲で、特別な能力を持たなくとも、課長一人がその気になれば出来る。それでいて、目を見張る様な「効果のあるやり方」の案内書です。

今、取り組んでいるプロジェクトで、「日本でも出来るマーケティングのやり方」を実験しています。もし、成功したら、それらを本にまとめる予定です。