以前から行ってみたいと思っていた鹿島・香取神宮に、女房と一緒に参りました。

H260426x4s004
東京駅から高速バスで鹿島神宮へ。バスを降りて歩いていると、神宮の手前に伊勢神社がありました。邪馬台国の正当な大王であり、大陸渡来人であると同時に縄文人との婚姻関係によって融和を図ったと考えられる物部氏(越智氏)。この「伊勢神社」という名称。朝鮮半島からやってきた殺戮による支配を思いのままにする天照を呼び捨てにしている雰囲気がありますね。この伊勢神社に、越智氏の誇りを見る思いがします。

H260426x4s021
鹿島神宮の神門にあるのは、流鏑馬の的でしょうか。騎馬で矢を放つのは縄文人の戦い方です。

鹿島神宮の祭神は武甕槌神(たけみかつちのかみ)。かつては「神宮」と呼ばれたのは、伊勢・鹿島・香取の3つだけです。大和朝廷は、祖先神と祟り神(権力を奪取するために謀殺した氏族)を祀ったことを考えると、越智氏のお社である鹿島・香取が重んじられたのは当然でしょう。氏族の殆どを惨殺され、僅かに残った者も斑鳩の地を追われ、大陸渡来の弥生人たちの皆殺しの対照となっていた縄文人と共に、常陸国を創設します。

H260426x2s023 H260426x2s020
高房社の祭神は建葉槌神。常陸国二宮静神社の祭神であり、「本社参拝の前に詣でるのが古例である」の案内があり、拝殿前に祀られています。おそらく、鹿島神宮は大和朝廷が祟りを怖れて建てたもので、静神社が本来の越智氏と縄文人の常陸国のお社だったと推測されます。

H260426x2s011 H260426x2s013
本殿ではなく、仮殿が重文。さらに、別のお社が建築中。観光資源としての歴史を感じますね。

H260426x2s040 H260426x2s045
参道に摂社の熱田社があります。熱田と言えば、草薙剣があるお社。熱田の宮司である織田氏も、正統な大王でありながら天皇家に殺戮された一族の末裔です。勿論、織田信長も。信長が天皇を滅ぼそうとしたのは、祖先の敵討ちが正当化されるとしたら、当然のことです。越智氏と織田氏の大和朝廷以前の関わりを思わせる摂社です。

H260426x2s075
奥宮への参道は、針葉樹の多い林です。気づいたのですが、縄文人の末裔である生禿は、針葉樹と落葉樹の多い林の木洩れ日に強く反応する性癖を持っているようです。勿論、生禿の感性が縄文人のそれだという根拠はどこにもないし、生禿の感性が鋭いとも思いません。ですが、このような風景に「八百万神」を感じます。どうやら、生禿の原風景が、木洩日の射す針葉樹と落葉樹の林であることは間違いないようです。

H260426x4s058
縄文は、旧石器時代から受け継いだ石の文明です。この要石も、石への信仰の表現なのでしょう。香取神宮にも要石はあります。

H260426x4s094 H260426x4s089
お手洗(潔斎の池)につながる水路。東屋で笛を吹いている方がいらっしゃいました。聞こえてきたのは「ものけ姫」。弥生人(越智氏など)と縄文人(アテルイなどを代表とする蝦夷)が合体した荒吐(あらばき)への鎮魂歌なのでしょう。この地に相応しい曲でした。

H260426x2s114 H260426x2s120
参道を戻って神門の外に祀られた摂社に向かいます。生禿が鹿島神宮に来たのは、何よりもまず、この摂社に参るためです。

H260426x2s129 H260426x2s131
津東西社の祭神は高麗神。越智氏の出自を物語っています。祝詞社(祭神:太玉命)は、物部氏(越智氏)が祭祀を司った氏族であることを示しています。

H260426x2s135 H260426x2s139
須賀社(祭神:素戔嗚命)と熊野社は、越智氏の出雲との関係を思わせます。そして、沼尾神社(祭神:経津主神)と坂戸神社(天児屋根命)の遥拝所は、越智一族の藤原氏との緊張関係を語るもの、とするのはうがち過ぎでしょうか。

H260426x2s146 H260426x4s104
建設中の木造の鳥居を後にして、バス停に。途中には、龍神社(高淤加美神と闇淤加美神の龍神)がありましたが、のんびり見物している時間はありません。バスでJRの鹿島神宮駅に向かいます。

H260426x4s114 H260426x4s125
坂東太郎(利根川)の悠々たる流れが車窓から見えます。潮来(いたこ)や十二橋の周辺は、その名が示すように幾筋もの利根川の支流が流れる広々とした湿地帯。その昔、種を落しておいただけで、稲が実っただろうことを想定させます。弥生人が大陸から稲作の技術を伝える前に、縄文人が米を食べていたのは、このような自然環境があったからだと納得しました。

H260426x4s134
佐原の町は川越の小江戸のような街並みです。川越が好きでよく行く女房に言わせると、「川越より雰囲気のある町」だとか。「銘木耳かき工芸」の店が成り立つぐらい“凄いんです!”。

H260426x4s144 H260426x4s155
船に揺られての佐原見物も洒落てますね。しかも、え! 橋がお漏らししてます! 時間になると水を落す仕掛です。ビックリしました。

H260426x4s141
中村屋というお店で女房が手拭のスカーフを買いました。その店の土蔵は重文で、しかも中には古い五月飾りと、一枚の紙で折った千羽鶴が飾ってありました。千羽鶴はテレビなどで何度も取り上げられているものです。また、五月飾りも立派なもので、生禿の家に伝わっていたものによく似ていました(こちらの家のものの方が立派な物ですが)。

H260426x4s170

佐原「イ」の住居表示。所番地が「イ」を始めて見ました。

長くなるので、続きは明日。