成績の見直しを求めてきた学生がいました。

 話を聞くと、特定の病院から奨学金を得て大学に通っており、薬剤師になったらその病院に勤務することで奨学金を返還するのだそうだ。だから、留年なんてとんでもない。経済状況にゆとりも無さそうで、ぎりぎりでの進級が続いていたようだ。

 あつかましくて強引な要求かも知れません。ですが、今の世の中、そういう若者の理由のある我儘を受け入れて助けるゆとりが無くなっているのに腹を立てている生禿です。自分に出来る範囲のことなら何でもしてあげます。

 その学生の我儘を許して助け、今を助けここで感謝さることが目的ではありません。かつては大人に、若者を助けて育てるゆとりがありました。そして、世代を超えて次の世代の人々を育てる人の輪を作りたいのです。

 実社会は実力ではなく、コミュニケーション力が勝負を決める。君が私に出したメールや、急いで追加したレポートなどは、拙くはあるが、良い意味での甘えのコミュニケーション力がある。そういう厚かましさは実業の世界では必須の能力だ。その能力が“通用する”ことを、今日君は学んだ。されを磨け。そして、成功を収めたら、次世代の若者を助けてあげてくれ。そういう流れを作ることが日本は“いい国”であり続けるためには不可欠なのだから。

 大学の事務所で粘って単位が取得できるようにし、レポートを書くのに徹夜して夜から何も食べていない学生に学食でご飯を食べさせました。ホッとした表情で食べてました。やれやれ、これからまだまだ続くぞ。でも彼は、「勉強がやっと面白くなってきました」と言っていた。その言葉に期待しよう。明るく元気に前向きに、やっちゃえ!

 続きは明日。