日本広告学会関東部会 「2016年日本の広告費」電通総研
毎年参加している「日本の広告費」です。年に一度ぐらいは、広告業界の全体の流れを把握しなくっちゃ、です。以下は、この講演の要約です。生禿の聞き違いや勘違いがありましたらご容赦下さい。
日本の広告費は「5年連続の増加」とは言え、6兆ちょっと。かつての面影はありません。そう言えば、この研究会への参加人数も年々減っています( ← それは学者が・・・)。企業業績は好調とはいえ、人件費を絞り上げた結果の「会社の豊かさ」って、何がリッチなんだろう?
伸びているのはインターネットとデジタルだけ。テレビを除くマス媒体は壊滅状態。若い世代のテレビ離れで、テレビも視聴率は減少。効果が検証されているというより、「広い世代に訴求できるという」惰性の方が大きいという指摘もある。ファッション関連企業の出稿が減少した雑誌は悲惨な状況です。2016年の動向は、2015年の延長上。構造変化はありません。
出稿が増加している業種は、通販とサプリメント・美容・健康関連(機能性食品など)。オンラインゲームやWebコンテンツやキャッリアの情報通信系、電力自由化に伴うエネルギー関連も好調。
媒体の動向としては、デジタルシフトが続いています。殆どの業種で進行していますが、デジタルシフトしない会社もあります。デジタル広告費は、販促費から移行したのではないかと考えられるそうです?
デジタルシフトは、記事配信を本格化させる新聞や雑誌、ラジコなどのネットと連動し始めたラジオ、デジタルサイネージなどの屋外・交通・POPなど、殆どの媒体で、融合と移行が続いています。デバイスフリーは、インターネットへの統合を予見させます? 紙媒体の減少も止まりません。しかし、DMはコンバージョン・メディアとして堅調。屋外(OOH)やイベントやVRは、体験型媒体として同時の道を歩いています。
インターネット広告では、運用型が成長を続けています。運用型とは、検索連動広告などの、データ処理のプラットフォームにより、広告の最適化を行う手法(データ連携のインターネット広告)。動画領域の拡大とスマートフォンの成長も続いています。