今年の試験(レポート)の課題は、難易度の高いものになりました。課題を簡単に言ってしまえば「貴方が“やりたい”事業の構成図を描き、それについて説明しなさい」です。構成図の描き方は、講義で説明しました。だから、巧拙はあったにしても、それらしいものは描ける筈です。

 問題は『やりたいこと』です。生禿の場合は、高校生の時に目指したことを現役を引退するまで追い続けました。そういう人生を送る人間は希です。ほとんどの人は、「あんなことができたらいいな〜」みたいな憧れはあったとしても、自らの生きる具体の目的とはしません。『やりたいこと』なんてない。漫然と「何かいいことないかな〜」だけで、何を目指すこともなく、暇を潰しただけ人生を終えます。

 生禿は、学生達に生きる目的を持てとは言いません。目的を持たない人生もある。だけれども、それを明確に自覚して、自分自身が選んだ人生として『生ききって』欲しいのです。ですから、試験課題として『やりたいこと』を明確に描くように求めました。

 学生たちの反応は案の定でした。「『やりたいこと』がないので、どう書いていいのか解らない」という質問が複数寄せられました。そこで、先週の講義の後、教員食堂で、昼食を挟んで16時まで、「試験課題相談会」を行いました。

 生禿が指導したのは、自分の中の本当に『やりたいこと』を抽出する方法です。

1)今自分がしていて面白いことを、一つづつカードに記入する
 本当にやりたいことは、既にやっていることの延長上にある
 カードに書いた中で、「暇つぶし」でしかないものを除外する

2)今まで生きてた中で、本当に嬉しかったことを書き出す
 その特別な「嬉しい」の要素を考えてみる

3)1のカードの似た者同士を集める
 2を参考に、自分が何を楽しみとして生きていけるかを考える
 何が『やりたい』の要素/要因となっているかを見つめる

4)『やりたいこと』を“とりあえず”決める
 本当に『やりたいこと』は、簡単には見つからない
 でも、マジで取り組みあっちこっちやってみることで、次第に明らかになっていく

5)『やりたいこと』と『世のためになる』が重なることを確認する
 逃げずに諦めずにやり遂げるには、「世のためになる」ことが必要

 何人かの学生が、上記の手順でやってみると言ってくれました ← 大部分の人間が「生きるとは、死ぬ時までの暇つぶし」でしか無い人生を送ります。にも拘らず、他人を羨んだり、自分の運の悪さを嘆いたりして死んでいきます。目的を持つ持たないはどちらでもいいのですが、自分の人生を自ら背負える人間が少なすぎます。自分の人生を自分の人生として生きる。その入口への「問い」が「何がしたいのか」です。私の学生の全員が、『やりたいこと』を見つめてくれるとは思っていません。それでも、何人かは、「やってみます」と言ってくれたのは、教師冥利につきます。

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 川越市駅で見かけたハンドベルでクリスマスソングを奏でる子供たち。可愛い !(^O^)!

 今年も生禿ブログにおいで下さり、誠にありがとう御座いました。