女房と芸大の弥勒展を観に行きました。前に見たものもあるのですが、我ら夫婦と縁のある展示物もあるので、それらは何度見ても飽きることはありません。
ガンダーラの北西に進むと現在のアフガニスタン。クシャーン朝の影響で生まれた、両肩から焔を噴き上げた仏像でも有名です。
女房の話では、爆破された莫高窟の仏像の破片は、ドイツの研究者が収集して保管庫に格納してあったのですが、今年になってタリバン(だろうと思われる)が、この倉庫を破壊して破片を持ち出し、パキスタンの古美術商に売り払っていることが確認されているそうです。偶像崇拝を否定するモスレムにとっては無価値、というより有害なものである仏像。けれども「遺物はお金になる」ことを覚えてしまったので、彼らの資金源の一つになっています。
バーミヤンE窟仏龕の壁画は「青の弥勒」は、2001年に破壊されました。再現はフォトグラメトリ技術を用いて3Dデータを作成し、壁画表面はアフガニスタン流出文化財を参考にオリジナルに近い質感を再現しています。
弥勒菩薩交脚像(再現|5世紀/敦煌莫高屈)。交客の仏は弥勒菩薩で、ず〜と未来に人間を救ってくれるそうです。これも何度も観ています。女房が敦煌に行ったとき、今は観光客では入れないこの莫高窟で、研究者として特別許可を貰って写真を撮ってきたので、それと見比べると「再現」の意味がよく分かって面白いかったのを思い出しました。
救いの仏といえば弥勒。今にふさわしいテーマでした。それに私たち夫婦にとっては、懐かしい展示でもありました。