売上を4倍にしたら、売上の5%を頂きます。売上を2倍にしたら、売上の10%を頂戴します。
何故なら、売上を4倍にするのはとんでもなく楽なことだからです。それに対して、売上を2倍にするのは簡単ではないからです。
これは何度も何度も経験した事実です。解りますか?
生禿はマーケティング分析者です。ですから、4倍売れる販促企画など、購買履歴データがあれば3時間で立てられます。
初級編のマーケティング分析とは「魚群探知機」のようなものです。お魚が「どこにいるか」が分ればそこに網をかければ大漁です。「○を買いそうなお客様」を特定すれば、たいした工夫をしなくても4倍ぐらいの売りは作れます。造作もないことです。
さてここで問題です。探したお魚を全部釣ってしまったら、後に何が残るでしょうか?勿論、何も残りません。販売促進とはそういうものであることが少なくありません。
「4倍売れる販促」というマーケティング分析者の「目晦(くら)まし」に心を奪われてはいけません。
白状すれば、マーケティング芸として、瞬間風速の売りを作ってしまうこともあります。売りの現場を元気にするためです。現場を前向きにするには、「バカ売れ」が一番の薬です。薬が効けば知恵もやる気も出ます。カンフル剤としてはこれ以上の妙薬はありません。現場が元気になると顧客感性も販売感度も上がります。そこで現場に入り込んで、これからの売り方の仕組を一緒に作り込みます。
定番販売を2倍にするのは容易なことではありません。マーケティング分析も「魚群探知機」では済みません。
「いつ、どこで、何に、誰が」どのような購買動機を持つのか。どうすれば購買動機を恒久のものとできるのか。それが見えなければ、定番売りは倍にはなりません。
このブログをお読みになっている方には、ウンザリするほど聞かされたお話でしょうが、販売促進は易しく、購買促進は難しいのです。
マーケティング分析の本領は購買の動機を探り当て、動機を愛着に換える筋道を特定することです(愛着に換えるとは、神経科学で言えば「辺縁系に記憶させる」ことです)。お客様の購買を洞察し、商品のある生活を「快」と結びつける。その「やり方」を見つめるのがマーケティング分析の役割です。