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ファッション品の発注点検出は難しい。むしろ不可能といった方がよいかも知れません。ユニクロは定番衣料品だから発注点が管理できますが、瞬間風速のシーズン・ハイ・ファションは無理でしょう(不況の影響でリスクの大きいハイ・ファッションは店頭から消えました)。

ファッション品は、再注文して、中国から荷が届いたころには「不良在庫」になっている、というのは常識です。ですから、多くのファッションメーカー(問屋)は、シーズン前に瞬間風速を予測する仕組みを持っています。

アンテナ・ショップで、シーズン前に高感度な得意様を招待して、試作品を展示した内覧会や予約会を開き売行きを占うのがそれです。重点戦略商品などでは、ミニ・ファッション・ショーなどで盛り上げてみることもありました。また、多くの場合は、現物渡しが後日になるということでの割引も行われます。売行の予測に貢献して頂いているのだから、値引きというよりは、謝礼というか利益還元と位置付けた方が良さそうです。多くのファッションメーカーがアンテナ・ショップを持っているのは、そういうアンテナが必要不可欠だからです。

大昔、デザイナーズ・ブランドの多くがラフォーレ原宿に出店していました。それらは、アンテナショップというより、パイロット・ショップでした。デザイナー自身が足繁く足を運び、お客様と対話をしました。これからの商品(ファッション)のあり方を方向付ける店でした。

現在は、アンテナ・ショップもパイロット・ショップも目立ちません。大手のメーカーは、アンテナが必要なファッション品のリスクを負えないのです。零細なマンションメーカーは、パイロットも何もありません。原宿では、古着の方が断然面白いそうです。古着が人気なのは安いからだけではありません。今の時代には作りたくても作れないもの、想い入れだけで作ったはいいけれど販路が無くて古着屋さんに直行したもの、そういう掘り出し物があるのだそうです。