興味深いニュースがあったので引用させて下さい。

都薬・永田会長が薬剤師として襟を正す必要性を強調
2019年8月14日 薬局新聞

 東京都薬剤師会の永田泰造会長が会長職就任後、初の定例記者会見に臨み、新執行部としての意気込みとともに、薬剤師職能を発揮することの重要性を訴えた。

 永田会長は薬剤師を取り巻く現状について「信頼度が低下していることは否めないと思う」との認識を寄せ、そのうえで「都薬一丸となって市・地区薬剤師会に入会いただいている会員薬局・薬剤師に対して、生涯学習を継続していただくように設定することを第一に考えていきたい」と語った。薬剤師は「医療人としての役割を発揮する前提は倫理観であり、責任感である。人に使われているという考えではなく、国家資格という免許を取得している。従って薬剤師一人ひとりが自分自身の倫理観に基づいて行動することを示唆できる組織を目指していきたい」と展望した。

 相次ぐ不祥事や不適切事案に関連しては、管理薬剤師の重要性を強調。「以前より都薬は管理薬剤師研修会を開催しており、一時期は100人を超える申し込みを数えるときがあったものの、今では30人規模まで減少している。現状の危機感を鑑みて、研修会の範囲を拡大して既に管理薬剤師になって経験を積んでいる方なども改めて認識を深めていただく機会を作りたい」と話し、保険調剤の算定及び保険請求に係る研修会の開催に向けて準備を進めていることを述べた。具体的には「倫理観や管理薬剤師としての役割を都薬、法令に関して都薬務課の方から解説してもらうような内容を想定している」と述べ、会員・非会員関係なく、傍聴できるような開かれた会合とすることを掲げている。管理薬剤師には「開設者にも勤務薬剤師にも正しく意見を進言することが求められる」とし、繰り返し倫理観を醸成することの重要性を述べた。

●算定要件の意味を理解する必要性

 永田会長は、不正請求が発生する要因のひとつとして、算定要件の趣旨を深慮する必要を合わせて言及し、現状はかなりギャップが生じていると語った。「理屈上正しい方法であっても、そもそも算定要件が設立された背景を考えとき、そのアプローチはどうなのか。例えば薬学管理料では、先計算のような方法で請求作業だけ進め、薬歴は営業が終わってから記載するような状況を重ねると、薬歴未記載のような結果を生むことになる。このような発想自体がどうなのかと思う。もとをただせば、薬学管理料は患者を主体とした薬物療法の管理のためにあるものだ。それを後回しにするということは、継続的な管理になっていないと判断されるのではないか。算定要件をクリアすることをだけを考えて、当たり前の理屈が通っていないことが多い。こうした積み重ねの先に不正請求事案などがあるのではないか」との分析を寄せた。

 研修会の開催にあわせ、会内でも議論に着手しており、「伝達講習はただ単に伝えるだけではいけないだろう。スモールグループディスカッションなどを通じて、自分たちの役割とはどのようなものか、をしっかり議論しなくてはいけないだろう。12月までに一定の方向性を示し、第2、3回と開催を重ねることも考えたい」と語り、まずは首都・東京の薬剤師会から信頼回復に向けた発信が行われることに意味があると強調した。

 なお、都薬は現在全会員保険薬局を対象にした自主点検を実施しており、9月末日までに報告することを求めている。