《ブロックチェーンの将来》 PwCコンサルティング 丸山智浩

 ブロックチェーン(BC)のキーワードは、プラットフォームへのトラスト(信頼)である。非中央集権な仲介者不要なガバナンスの信頼性。ゲームを通じて、BCの技術を理解してもらう活動を行っている。

 ブロックチェーンでも、実装は中国が最も進んでいる。ウォールマートも実用化に向けて取り組んでいる。

 近未来のBC市場では、1)サプラチェーンマネジメント(SCM)、2)金融、3)ヘルスケア、の三つの分野が有望。

 SCMとBC=非中央集権型のプラットフォームの親和性は高い。企業を超えた共通のエコシステムを作る。SCMにおける相殺決済(ネッテグ)を相対で行うことにより、決済が大幅に削減される。金融では、政府の監査を不要とする世界=分散金融が実現する。デジタル・アイデンティティは、第三者の権威ではなくBCが代替する。ヘルスケアは、健康状態の証明を通じて経済活動を促進する。

 covid-19の感染者数と関連の倒産件数には創刊がある。感染リスクの推定と、健康証明書(クレデンシャル)による安全確保。リスクコントロールにより経済活動を活性化させる。働く人と働く環境の安全性を高める。医療を含め、データ連携を加速させるコンソーシアムが設立されている。


《量子コンピューティング基礎講座》 大阪大学 藤井啓裕

 量子力学によれば、量子は「状態の重ね合わせ」。測定により「状態の確率」が決まる。1)量子力学は、エレクトロニクスの基礎の一つであり、2)量子コンピュータなどの量子技術の基礎でもある。

 1980年代、量子コンピュータは、素因数分解で注目される。NECの中村氏による量子ビットが試作された。2010年には、量子アニーリングが商業化され、グーグルが採用し、注目される。

 ゲート型は、(スィッチではなく)状態ベクトル=0-1の可能性を残したまま計算する量子ビット。

 超電導の量子コンピュータは、電磁波の通信。1)マイクロ波を照射、2)量子ビットを定義、3)波の干渉の生起、4)反射を検出。

 適用分野は、1)材料技術〜量子的な振る舞いを試算する、2)人工知能〜50量子ビットを超えるものも試作されている。

 量子化学計算には、2メガビットが必要。実装には20年かかると言われている。小さな量子コンピュータをどう使っていくかも課題。量子経路学習はニューロネットに近い考え方のハイブリッド・アルゴリズム。多くのパラメタ−を同時に調整する能力を持つ。


《AI自動化の新たな時代》 ailys 藤井正辰

 ダビンチラボの開発したailys。5年後の世界をターゲットに、AGI=汎用のAIではなく、アップルのシリもその一つである特化型のAIを考える。

 データ分析に特化された機械学習の自動化。契約更新を誘導する電話コールは、架電履歴を分析し、どの時間なら成功するかの予想を基に行う。新製品の発注両予測。客相の着信数を予想しシフトを組む。

 意思決定の最適化。現場で分析し、判断する仕組みを作る。専門知識を蓄積し、ルールの最適化とモデルの最適化を行う。データの前処理から運用まで、現場で行えるようにする、エンジニア不要のAIを目指す。また、「新手の詐欺」の識別などでは、「教師なし学習」を用いる。