空爆下のガザの声、パレスチナは今(2021/5/21)

 ピースボートの緊急講演。「イスラエル軍による空爆下のガザ地区で、一般の市民の命が日々奪われている。ガザとエルサレムに暮らすパレスチナ人から、生の声を聞く機会を緊急に設けました」が趣旨。

 以下はこの講演の要約です。私の聞き違いや勘違いがあったらご容赦下さい。


 奇しくも5/21の停戦合意の当日の実施となった。但し、停戦合意はとりあえず空爆が止まっただけ。パレスチナ問題の根本=イスラエルによる国際法上も明らかに違法な占領とパレスチナ人の弾圧と虐殺が続く限り、問題は解決されない。

《ピースボートの協力者ザヘル氏》

 ガザで住む家をイスラエルの空爆で失った。イスラエル軍からの隣の商業施設への空爆予告「5分で住んでいるアパートの全員に伝え避難しろ」。結局、アパートも全て破壊され、住む場所を失った。

《ノンフィクションライター 高橋真樹氏》

 ガザ封鎖により、ガザのパレスチナ人は天井のない監獄に封じ込められている。失業率は50%以上。国連の支援がなければ暮らしていけない。水が不足しているし、健康被害が発生している。イスラエルの支配下で、破壊された生活インフラの復興もできない。イスラエルは、パレスチナ人が死に絶えるのを待っている。

 今回のイスラエルの攻撃は、「東エルサレムからのパレスチナ人の立ち退き」という挑発によるハマスの攻撃が引鉄。イスラエルのネタニヤフ首相は、ハマスが攻撃するまで挑発を続けただろう。

 イスラエルは入植地を拡大している。入植地は、東エルサレム周辺に多い。家屋破壊と入植はセットになっている。入植するために、パレスチナ人の住宅を破壊する。この入植値建設=家屋破壊をきっかけとして今回の紛争が起こった。

《国際政治学者 高橋和夫氏》

 イスラエルの首相ネタニヤフは、汚職疑惑が多い。選挙に負ければ首相官邸から刑務所に直行となるだろう。それを回避するためには、紛争を起こして政治権力を維持しなければならない。イスラエル市民の中には、パレスチナ人も含まれる。彼らの声を圧殺し、反ネタニヤフ政権の可能性を潰す必要がある。だから、執拗にハマスを挑発して攻撃させ、紛争を起こした。身勝手な理由で多くのパレスチナ人を殺した。その責任は、ネタニヤフと彼を支える人々にある。

 米国のバイデン大統領はネタニヤフに圧力をかけ、停戦にこぎつけた。何故こんなに調停が遅れたのかと言えば、1)歴代大統領の誰もパレスチナ問題を解決できなかった、2)コロナ禍の解決の方が優先課題であった、の二つの理由で、バイデンはパレスチナ問題から逃げ回っていたのである。しかし、アメリカ民衆(左派)の世論に動かされて、やっと腰を上げた。[アラブ ⇔ イスラエル = 米国]という構図は変わっていない。米国が本気になれば、イスラエルはパレスチナ攻撃を止めざるを得ない。

 日本国にやれることはある。自衛隊は、イスラエルのドローンを買おうとしている。これを中止すれば日本国としての意思表示になる。

 イスラエル国民の意識も右傾化している。「アラブ人を追い出せ!」というような過激な人々の発言力が強くなっている。トランプの支持もイスラエルの行動に影響を与えた。しかし、イスラエル兵士の精神状態の悪化=暴力傾向が社会問題になっている。正義なき殺人は兵士を異常者に変え、家庭内暴力などの多くの問題を発生させている。