「5Gビジネス」 亀井卓也 2019年 日経文庫

 5Gに関するお手軽な事例集。講義の参考になる事例を集めようと思ったのですが … 。 以下は、この本の要約です。

《1. 5Gが話題になる理由》

5Gの利用シナリオ
・高速大容量通信
・超信頼・低遅延通信
 エッジコンピューティングが可能に
  ネットワークの端である基地局で、必要な処理を行う
・多数同時接続
 1万台の端末が同時アクセスできる
 IoTの要件 大量のセンサーからアップロードされるデータの同時受信
 減衰し易く遠くまで飛ばすことが難しいミリ波帯電波は、広域でのエリア構築が難しい
 特定の構内での運用に向いている

 4Gにおいても中国の通信機器ベンダー=ファーウェイの存在感は圧倒的。5Gにおいては国際標準化や技術開発でも世界をリードしています。

 一般消費者の通信需要に応えるだけでは、5Gは普及しない可能性があります。通信事業社は、5GによるサービスのDXを共同開発するパートナーを獲得しようとしています(エコシステム)。活用可能性を追求するためのエコシステムが構築されています。産業用途を積極的に開発しています。

《2. 5Gが変える生活》

動画配信サービス
 ネットフリックス / ユーチューブ / アマゾンプライム

VR(仮想現実)とAR(拡張現実)

オンラインゲーム 〜 遅延が許されないクラウドゲーミング

コネクテッドカ―
 自動運転
  安全運転支援から完全自動運転へ
   道路を5Gの通信環境でカバーするには、膨大な設備投資と時間が必要
  運転する必要が無いので、車の中のレイアウトが自由に設定できる(店舗など)
 自動車保険

医療と介護
 遠隔医療
  遠隔診察 画像の共有などが必要
  遠隔治療 遠隔手術支援 ダヴィンチ・サージカルソステム
 介護支援ロボット 見守りから制御(介入)へ
  アクチュエーターの駆動 〜 ロボテックスの採用が可能に
   パワーアシストスーツもその一つ

認証
 あらゆるサービスで認証が行われ生活環境に溶け込んでいく
 グーグルやアマゾンは、匿名化によるデータ収集を進めている
  生活動線にカメラがあり、同一人物を追尾できるなら、パーソナルデバイスによる認証は不要

キャッシュレス決済
 CVS アマゾン・ゴー
自動チェックイン
 航空や鉄道
パーソナライズされた広告
 デジタルサイネージ NTTドコモと電通は合弁会社を設立

エネルギーマネジメント
 エネルギー・ユーティリティ産業 スマートメータの設置

道路+公共交通システム
 目的地までの最適交通手段の提供
 予約と支払いの一括処理

製造プロセス
 デンソーの産業用ロボットの協調作業
 ローカル5Gによる実装 コマツ(遠隔操縦や故障予測を含む)やBMW

地方でこそ有効な5Gによるサービス
通信事業者は地方公共団体とのパートナーシップも推進している

ウェアブル端末
 世界でアップルウォッチが6割を占めています

パーソナル端末の消滅
 「あらゆるパーソナルデバイスは不要になる」中国バイドゥ創業者 李彦安
 クラウドやエッジに機能を集中することで、パーソナルデバイスを必要としない未来もあり得る

《3. ビジネスをどう変えるのか》

公衆安全
 セコムの監視センター
  AIにより混雑や侵入や不審者や不審物の検出 警備員を向かわせるかどうかの判断
  ドローンから人工衛星までを用いた空間情報
 ブラックリスト照合だけでなく、不審行動そのものを検知するAI

《5. 5Gがもたらすリスク》

高すぎる期待
 新しい顧客経験を確保できない

プライバシー情報
 下り情報から上り情報(個人情報)へ
 エッジでの匿名化
 個人情報の権利は個人に帰属する

スコアリング
 潜在顧客の購入可能性を点数化すること
 信用(与信額上限や金利)のスコアリング
 安全運転のスコアリング 自動車保険

中国のアリババグループ
 融資審査 信用スコアリング「芝麻信用」

あらゆる分野でスコアリングが行われる社会

《5. 5G時代に我々は何をすべきか》

資産(製品)からサービスへ
 課金方式はサブスクリプションが適している

世界は既に6Gに向けての開発に入っている