「クェーサーの謎」谷口義明 2004年 ブルーバックス

 たまには宇宙論の本も読んでみたいな〜。と言うわけで、クェーサーです。 以下はこの本の要約と引用です。


<まえがき>

 天の川銀河には1000億個以上の星があり、1000億個の銀河ある。銀河の大きさは10万光年にもなる。銀河の中心核には巨大ブラックホールがあり、明るく輝いている。

《1. 謎のクェーサー》

 クェーサーは天の川銀河近くには、その姿を見せていない。

《2. クェーサーの発見》

 太陽は表面温度が6000Kの星で、放射のピークは500ナノメートル近くの可視光帯にくる。可視光帯の電磁波は、ほぼ素通しで地表まで降り注ぐ。

 近傍の宇宙にはクェーサーが見つからない。100億光年の彼方にクェーサーはたくさんある。宇宙が若い頃の方がクェーサーが明るい。

《3. クェーサーの種類》

 クェーサーにあるブラックホールの質量は、太陽の1億倍以上。

 セイファート銀河核は、近傍にある銀河に多い。本質的にはクェーサーとセイファート銀河は同じである。ライナーは、さらに暗い活動銀河中心核。電波の弱いクェーサーが9割を占める。

《4. クェーサーの起源》

 ブラックホールの周りにあるガスには二つの力が働く。一つは、ブラックホールの重力。もう一つは、重力発電による電磁波の放射(輻射圧)。

 どんな銀河も銀河同士の合体を経験している可能性が高い。

 活動銀河中心核で観測される電波ジェットのプラズマは、電子と陽電子のペアプラズマ。高エネルギーの電磁波が対生成し、光速に近い速さに加速されている。

《5. クェーサーの進化》

 クェーサーの大半は遠方の宇宙にある。宇宙の若い頃にクェーサーが沢山作られたことになる。

《6. クェーサーの謎解き》

 スターバーストでは、大質量星が1万個以上もできる。銀河中心核=超大質量ブラックホールの形成は、バルジの形成と関係しているようだ。質量の大きな星は、他の星と遭遇する確率が高い。星団内の質量の大きな星同士が合体し、成長して中質量ブラックホールになったと考えられる。中質量ブラックホールを孕んだ星団が銀河の中心へと移動してく。そこで、大質量ブラックホールが誕生する。

 超大質量ブラックホールはこの宇宙から消えていないが、輝かない。