2022年にノーベル賞を受賞したスバンテ・ペーボ教授の講演会「「なにが人類を特別な存在たらしめているのか?」を探求する旅」を聴きに、東京大学安田講堂に行きました。

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 赤門は耐震診断の必要が生じたため閉門され、脇の番所は耐震性能が低く立寄り禁止です。

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 夕暮れ迫る三四郎池。加賀藩主前田家の庭園「徳育園」の心字池でしたが、夏目漱石の「三四郎」以来「三四郎池」の名で親しまれている、とのこと。照明が点き始めて … 最も絵にならない時間帯ですね。

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 東大は古い校舎だらけ。見物するには趣があるだろうけど、ここで学ぶ学生は不便で大変そうですよね。

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 おや!学食です。時間がないので入りませんでしたが、機会があったら食べてみようと思います。東大病院の上のイタ飯屋さんのランチばかりじゃつまらない ← 美味しいけれど … 。

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 会場の安田講堂。様々な歴史の証人となってきた場所。女房は娘の関係で何度も訪れていますが、私は初めて中に入ります。中はフツ〜の講堂でした。一橋の兼松講堂の方がいいな〜〜〜 ← 講堂を見物しに来たわけじゃないので … 。

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 夕食は、地下鉄駅に向かう途中の中華屋さん。東大の周辺は中華屋さんが多いんです。ちゃんと美味しかったですよ。

 スバンテ・ペーボ教授の講演で解ったこと。教授はとっても「良い人」で、現生人類とネアンデルタール人やデニソワ人が「平和に交配した」信じていること。その信念を覆すのは、良い人過ぎてできないことなんだろうということです。ネアンデルタール人が絶滅したのも、現生人類の方が圧倒的に数が多く、それでネアンデルタール人は「飲み込まれてしまった」とお考えのようです。それを、幼稚だとか非科学だとかいうのは易しい。けれど、ペーボ教授の表情を見ていると、「それでいい」と感じてしまう。ネアンデルタール人やデニソワ人のY染色体上の遺伝子が何一つ見つかっていないことは、普通に考えれば「男は殺し、(美)女は犯した」と考えるのがフツ〜ですが、教授はそう考えたくないようです。「この人はそれでいい」と感じました。

 教授は、「現生人類を特別な存在にしている要因は何か、私たちの行動の根源にあるものは何かというテーマに興味があります」と述べます。根っからの楽観主義者です。でも、明るい未来を信じて、幸せに生きる人だけが、明るい「近」未来を作ることができる、というのも事実でしょう(「遠未来」は何一つ動かせませんが)。

 それでも、現生人類に特有の変異がみられるADSLという遺伝子は、攻撃的な行動と関連があることは、明らかにしているのですが … 。