中村獅童と寺島しのぶの「文七元結」。落語の「文七元結」が大好きな十六代目の江戸っ子の私が、中村屋の娘である寺島しのぶが歌舞伎座への思いを込めてお兼を演じると聞いちゃあ観に行かねえって訳はねえやね。

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 銀座三越の地下二階のお弁当屋さん、神田明神下みやびの「炊き込み御膳」。いかにも歌舞伎座の観劇用のお弁当が並んでいた中でも一番美味しそうだったのをチョイス ← 美味しかったよ (^O^)。日本の食文化の凄さの一つは、冷えても美味しいお弁当。西洋料理にはあり得ない美味しさですよね!

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 千秋楽に2階の一番前の席でしっかり観ようという女房の提案は大当たり !(^O^)! ← 貧乏人の我家にしては、お高い席なんですヨ。

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 話としては、山田洋次演出は人情が出すぎて、「見境なく勢いでやっちゃう江戸っ子」が引っ込んじゃった!のは残念だった。なのだが、中村獅童と寺島しのぶの芝居は良かった〜〜〜。熱演というのではない。そういう素振りを見せたんじゃー役者としては二流。玄人の役者として、お客様を楽しませることに徹した静かな闘志。お二人の役者魂を見届けさせてもらった。女房に掛け声を封印され、堪えたのはちょっと辛かったけれど、久々に芝居を満喫しました。

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 「春宵」(伊東深水/1950年)の前で女房の記念写真。想いが深く残る観劇になりました。