「SDG's入門」 村上芽・渡辺珠子 2019年 日経文庫

 傲慢不遜にして極悪非道な「SDG's」。地球生態系を破壊しつくし、人類だけが生き残ろうという完全無欠な浅はかさ。資本家はSDG'sを、またとない「銭儲のネタ」として大歓迎。一生に一度も「思考」というものと縁のない者どもが振り回す、薄っぺらで上っ面の「理屈」が結びつき、愚衆を洗脳しています。今すぐ人類が絶滅する以外に地球生態系を守ることはできません。この科学の事実を隠蔽するポピュリズムがSDG’sなのです。

 この本は、SDG'sの極悪非道と薄っぺらさを、余すところなく描いた悪書中の悪書。大学の講義でSDG'sがますます大量絶滅を加速させ、結果として人類も絶滅に追いやるものだということを示す証拠として取り上げます。 以下は、そのような観点から、講義の参考にするためにまとめたメモです。*は検索結果とコメントです。


■ はじめに

 2015年に国連総会で、SDG'sは採択されました。

■ SDG'sを理解しよう

 SDG'sは「成長戦略」です。「持続可能な開発」とは、「将来の世代の要求を満たしつつ、現代の世代の要求も満足させるような開発」を指します。企業の新たな経営リスクを明らかにするものでもあります。

 1984年に国連に設置された「環境と開発に関する世界委員会」の委員長は、ブルントラント。後のノルウェー首相です。彼女はSDG'sの設定ついても大きな影響を与えました。

*1963年オスロ大学を卒業。1964年ハーバード大学へ留学。帰国後、医師を務める傍ら、労働党でも活躍。1974年、ブラッテリ内閣の環境相に就任。1977年、総選挙に立候補し初当選。1981年、女性として初めてノルウェー首相に就任するが、総選挙で保守党に敗れ、退任。
 1984年から1987年まで、国際連合に設置された「環境と開発に関する世界委員会」は、彼女が委員長を務めたことからブルントラント委員会と呼ばれる。この委員会がまとめた報告書「地球の未来を守るために」には、「将来世代のニーズを損なうことなく現在の世代のニーズを満たすこと」という「持続可能な開発」の概念が打ち出されている。
 1986年、総選挙での労働党勝利をうけて、首相に返り咲く。1989年、総選挙で敗北し退陣。1990年、第三次ブルントラント少数内閣発足。1992年、三男の自殺を機に労働党党首を辞任。1996年首相を辞任。世界保健機構(WHO)の事務局長にも就任しました。

*ブルントラント氏の政治手法に対する評価(chatGPT)
 ブルントラント氏の政治手法についての意見は分かれています。一部の識者は、彼女の政治手法や政策がリベラルな理念を利用しながらも、一般市民の感情や不満に訴えかけるポピュリスト的な要素を含んでいると指摘しています。彼の政治スタイルが一部の支持者には人気を博している一方で、他の人々からはその方法が表面的であると見なされています。そのため、ブルントラント氏に対する評価は多様であり、彼女のリーダーシップスタイルに関しては様々な見解が存在します。

■ SDG'sとビジネスはどう結び付いているのか

 経営者がSDG'sを気にする理由は、SDG'sが、1)事業の拡大に繋がる、2)人材開発に役立つ、3)コミュニケーション・ツールとして有効、の3点。また、危険回避の観点も重要です。途上国の委託先工場での劣悪な労働環境が発覚すれば、欧米の消費者の不買運動につながります。
*西洋人は、自分とは直接関わらない、自己に痛みのない、「倫理を意識した消費」を楽しむ傾向があります。一方で、自己の利益に関わると認知の歪みが生じる傾向が強いようにも思われます(人間共通の特性とも言えますが…)。

 「企業の社会責任」はムーブメントにならなかったが、SDG'sは広がった。SDG'sのロゴを作ったのは、NYのトロールバック。デザインやブランディングを手掛ける会社です。

■ SDG'sの取組みテーマを選ぼう

 カルビーでは、女性の活躍を推進するキャリア制度や制度作りを推進し、時短勤務の女性執行役員や女性工場長などを誕生させています。育児休暇や育児時短勤務、家庭と仕事の両立のための費用補助制度。女性社員のキャリア研修や、執行役員が管理職の女性従業員をサポートする「メンター制度」を実施しています。

 グラクソ・スミスクラインは、最貧国の特許医薬品の価格を、先進国の販売価格の25%以下と定めています。また、各国の一人当たり国民総所得に応じて同社製品の価格を決めています。2015年、マラリア対策用のワクチンについて、利益を求めない価格設定にしました。途上国の中でも特に所得の低い国では、ジェネリック版の医薬品の製造販売が行いやすいように、自社製品に関する特許は申請しません。低中所得国については、特許の申請は行うものの、ジェネリック版の同社医薬品の供給を10年にわたって認めるライセンスを供与し、少額のロイヤリティを求めます。

 新興国や途上国では、急激な人口増加にインフラ整備が追いつかず、劣悪な環境のスラムで生活する人が10憶人に上ります。

*学生への小論文の宿題
 上記のグラクソ・スミスクラインの取組みが、全て利益最大化の経済動機に基づくものであること示せ。また、人道主義に基づくのであれば、どのような事業活動を展開すべきかについて意見を述べよ。