「分かりやすい教え方の技術」 藤沢晃治 2008年 ブルーバックス
学習支援をしているので、読んでみましたが … 残念だったかな。でも「教える」魔法は無い。当たり前のことを「ちゃんとやる」ことを再確認しました ← 当然ですよね! 以下はこの本の要約です。
(団地緑道のアガパンサス)
■ その教え方はなぜ「分かりにくい」のか
・ダメな教え方
情熱が無い
力みすぎる
押しつける
褒めない
一方向
詰め込む
■ 「教える」とはどういうことか
「教える」目的は、知識や技能の定着。分かりやすい説明だけでは不充分です。生徒との良好な人間関係を築くことが前提です。
・「教える」のポイント
教えるとは…
サービス
説明(短い、簡潔、合理)
反応の観察
課題の分解
目的地までの誘導
■ 「分かりやすく教える」心得
「器が小さい」人は「(火にかけると)すぐに熱くなる」。生徒を好きになることです。
一生懸命は、たいていの障害を乗り越えさせてくれるものです。𠮟っても、怒ってはいけません。
説明される側とされる側が文化背景を共有しているほど、説明は雑になります。
「教える」とは「自分の水準まで引き上げる」ことではありません。生徒の個性を花開かせるお手伝いです。まず、生徒の考えを受けとめます。
楽しいとき、脳は活性化します。好奇心を刺激し、楽しませます。
■ 分かりやすく教える技術
学習塾は、分かりやすい教え方をしています。生徒の学力によってクラス編成されています。意図する道筋から生徒が外れていないか、要所で確認します。
具体目標を最初に示します。目標を示した上で、見通し(行程)を示します。一生懸命やってもなかなか成果は出ません。そしてある分岐点が訪れます。そういう見通し、最初に説明します。何も咲かない冬の日は、下へ下へと根を広げ、やがて大きな花が咲く。
課題を分割し、一つ一つの習得法を説明し、繰り返させ、部分を結合して、不調和なところを調整する。分解で不可能を可能にします。
研修の冒頭で「本日の重要事項」を示し、最後にも同じスライドを「本日のまとめ」として示します。
小さな進歩を発見してその場で褒めると、生徒の意欲が保てます。生徒は暗闇を手探りで進んでいるようなもの。何が正しいか分かっていません。正しくできた直後に褒め、繰り返すことで、体に刻み込むことができます。
「おだてる」ことと「褒める」ことは違います。「褒める」を貯めておくと、生徒は聞く耳を持つようになります。
塾の講師は、授業中の技術だけでなく、帰宅した生徒にいかに復習をさせるかの技術も問われます。
大数の法則の説明を「比喩で映像化する」。スープを煮込むとき小さじ一杯の味見だけで済ませる。
「教える」で重要なのは、「生徒の説明させる」こと。生徒の未理解部分が、生徒自身にも明らかになります。
先生が生徒のつまづきに気づき、その解決策を生徒自身に気づかせます。