今回は東博(東京都)の本館だけをノンビリと。

 特集「阿弥陀如来の姿」。阿弥陀如来は、西方にある極楽浄土の仏。人々は阿弥陀が迎えに来る「来迎」を期待しました。平安時代になると手の形で来迎を示す登場します。鎌倉時代以降は立ち姿が好まれるようになります。

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 阿弥陀如来倚像(飛鳥時代)。日本最古とされる法隆寺の阿弥陀三尊像。

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 阿弥陀如来立像(鎌倉時代)。前傾した姿勢は極楽浄土から迎えに来る様子を表します。手のひらや足裏には、仏法を象徴する輪宝の文様を描きます。人々は、全身が金色に輝く姿を求めていました。

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 阿弥陀如来立像(鎌倉時代|永仙作)。阿弥陀如来立像(鎌倉時代)。螺髪の一粒一粒に銅線を巻くなど現実感を高めるために採用された技法だそうです。

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 阿弥陀如来坐像(鎌倉時代)。目鼻立ちのはっきりした鎌倉時代の像。玉眼が嵌められています。

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 阿弥陀如来坐像(平安時代|埼玉県-西光院)。丸顔で優しい表情の穏やかな定朝様の作風です。

20240627Ps433観音菩薩
 観音菩薩立像(飛鳥時代|和歌山県-那智山)。左右対称の衣や、衣の縁を小円を刻むのは飛鳥時代の特徴です。

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 巴透鍔(安土桃山時代)。名は「信家」。「切る刀」の凄みを残す鍔です。

 特集「山岳霊場の遺宝」。熊野三山は本宮・新宮・那智の三社。平安時代後期(院政期)に、天皇による鵜熊野詣が頻繁に行われます。

20240627Ps441蔵王権現
 銅板鋳出蔵王権現像(平安時代|奈良県吉野郡-大峰山)。線刻から懸仏への中間に位置する鋳造の像。均整の取れた表現です。

20240627Ps445親近菩薩
 四方四親近菩薩三昧耶形(平安時代|和歌山県-那智山)。無量寿如来の四方に従う親近菩薩(尊像の徳を表した菩薩)。法・利・因・語を持物や印相などで三昧耶形で表しています。那智山以外に類例の無い遺物です。

20240627Ps448錫杖頭
 銅錫杖頭(奈良時代|和歌山県-那智山)。修験道では吉野と熊野を結ぶ大峰奥駈道が修行の道として重視されました。天台宗でも真言宗でも振興の拠点となってきました。

20240627Ps454馬
 馬(後藤貞行|明治26年)。徹底した写実表現のために馬の解剖も行ったといいます。

20240627Ps457野猪
 野猪(石川光明|大正元年)。柔らかな毛並み。愛らしい猪の姿です。