「新しい高校化学の教科書」 左巻健男 2006年 ブルーバックス
ず〜と前から気にはなっていたのですが …。学習困難な生徒の学習支援のボランティアを始め、たまに「化学」のみることになるともう大変！というような訳で、化学を少しだけでもやり直そうという次第です。 以下はこの本で特に気になったところの要約と引用です。
■ 物質を作るおおもと ― 原子
質量は、形が変わろうが、状態が変わろうが、運動していようが、静止していようが、地球上であろうが、月面上であろうが、宇宙空間であろうが、変わらない実質の量である。
形や大きさに注目した言いかたが物体、材料に注目すると物質。
化学は物質の構造と性質と化学反応を研究する。構造は、物質がどんな元素からできているか、どんな組成をしているか、原子がどのように結びついているか。物質の作りや組み立てのこと。
物理性質は、色や光沢、密度、力をかけたときなどに延びる/切れるか（機械的性質）、温度･熱に関わる性質、電気的な性質、磁気的な性質。化学性質は、他のどんな物質と出会ったときに反応して新しい物質に変化易いか、どんな反応を起こしやすいか、反応したらどんな構造になるのか、どんな物質になるのか。
化学反応は、反応前とは別の物質ができる変化。
有機化合物は、炭素Ｃの化合物の総称。
デモクリトスが思い浮かべたのは、空っぽの空間を原子がお互いに結びついたり、離れたりする動きに満ちた世界だった。
アリストテレスは、真空は存在しないし、壊れることのない粒はあり得ない。神の存在なしに物事を説明できる原子は否定された。
＊キリスト教学は、アリストテレス哲学によって体系化されました。
原子核に含まれる陽子の数を、元素の原子番号と言う。
１種類の物質が２種類以上の分解される反応を分解と言う。２種類の物質が結びついて１種類の物質ができる化学反応を化合と言う。酸素と化合することを酸化と言い、できた物質を酸化物と言う。
有機物(Ｃ、Ｈを含む)を燃やす（酸素と結合させる）と、ＣＯ2とＨ2Ｏができ、熱/光が出てくる。
窒素Ｎ2と水素Ｈ2が反応してアンモニアＮＨ3ができる。
水素原子を６×10^23個集めると１ｇになる（アボガドロ数）。そのまとまりを１モル(mol)と言う。アボガドロ数を単位として表した物質の量を「物質量」と言う。水素を１とした原子の質量を「原子量」とした。１mol当たりの質量をモル質量と言い、その値は原子量/分子量と等しい。
同じ温度、同じ圧力の、同じ体積の気体は、分子の種類に関係なく、同じ数の分子を含む。気体の体積は分子の数(分子量)のみに比例する。１molの気体の体積は、気体の種類に関係なく22.4Ｌである。1013hPaは１気圧(atm)である。
電子配置。電子殻に入ることができる最大数が入った原子は非常に安定で、ほとんど化学反応を起こさない。
Ｍ殻の収容数は18だが、８まで入ると、Ｎ殻に２つ入り、その後再びＭ殻に戻り18まで入る。
もっとも外側の電子殻にある電子（最外殻電子：価電子）は、内側の電子殻にある電子と比べ原子核からの引力が弱い。最外殻の電子は他の原子に近づきやすいので、原子がイオンになったり、原子同士が結合するときに重要な働きをする。
価電子の数が等しい原子同士は、化学性質が似ている。価電子１のリチウムLi、ナトリウムNa、カリウムKはアルカリ金属と呼ばて、水に溶けて水素を発生し、その水溶液はアルカリ性を示す。
価電子が７個のフッ素F、塩素Cl、臭素Br、ヨウ素Iはハロゲンと呼ばれる。ヘリウムHe、ネオンNe、アルゴンArなどは希ガスと呼ばれる。希ガスは最外殻電子がちょうど収容数入った原子で、ほとんど反応せず、安定している。
■ 原子と原子の結びつき ― 化学結合
電気を流す水溶液を電解質と言う。電解質水溶液中には、イオンが散らばっている。イオンは原子が電子を得たり失ったりして電荷を持ったものである。
電解質水溶液中に電極を入れると、正＋の電荷を持つ陽イオンは陰極−は、負−の電荷を持つ陰イオンは陽極＋へ移動する。
原子番号11のナトリウムNa原子は、11個の電子(K殻2個、L殻8個、Ｍ殻1個)を持っている。最外殻のＭ殻の電子(価電子)を１個失うと、安定になる。ナトリウムは電子を１個放出しているので正の電荷を持つようになる。
原子番号17の塩素Cl（Ｍ殻7個）は、最外殻のＭ殻に電子１個を貰うと安定になる。原子全体として、負の電荷を持つようになる。
希ガス以外は不安定で、電子を与えたり受け取ったりして、希ガスの電子配置をとり、イオンとなる。放出したり受け取った電子の数をイオンの価数と言う。元素番号の右上にイオンの価数をつける（イオン式）。
希ガス以外の原子は、単独で存在することは、ほとんどない。
イオン同士の結びつきや原子同士の結びつきを化学結合と言う。1)金属元素と金属元素、2)金属元素と非金属元素、3)非金属元素と非金属元素。
金属元素の原子は、電子を放出し易く、陽イオンになり易い。非金属元素の原子は電子を受け取りやすい。
１族のNaとKを比べると、Kの価電子の方が原子核から離れているので、原子核と引き付け合う力は弱くなり、外れやすい。
17族のFとClでは電子を受け取る位置がFの方が原子核に近いので、原子核と引き合う力は強くなり、他から電子を受け取りやすい。
酸と塩基(アルカリ)が中和してできた塩。金属の酸化物はイオン結合でできている。
電荷を持つものの間に働く力は静電気力(クーロン力)。
金属元素は陽性元素。電子を放出し易く陽イオンになり易い。18族以外の非金属元素は陰性元素であり、電子を引き付けやすく陰イオンになり易い。金属原子と非金属原子へと電子が移動し、クーロン力によって結合する（イオン結合）。
物質中の正の電荷と負の電荷が同数になるように結合している。全体として電気的に中世になっている。
イオン結合は強く、引き離すには大きなエネルギーが必要。
イオン結合の物質は融点が高く、常温で結晶(固体)。イオン結合からなる結晶をイオン結晶と言う。イオン結晶は水に溶けやすい。イオン結晶は電解質である。
分子を作る結合（共有結合）。水素原子２個が近づくと、Ｋ殻が重なり合う。２つの原子核が電子を引き付ける力は等しいので、２個の価電子は両方の原子核を回る。できた価電子のペアを共有電子対と言う。結合を形成すると、Ｋ殻に２個の電子が回っている希ガス元素のＨｅ原子に似た電子配置(閉殻)となる。
水分子Ｈ2Ｏのでき方。Ｌ殻の収容数は８(４軌道)、２個の電子がペアになって入る。４個までは１つの軌道に１つずつ入っていく。酸素原子Ｏでは、Ｌ殻の４軌道に価電子が６個入っている。そのため２個の電子はペアを作っていない。このようにペアになっていない電子を不対電子と言う。２つの不対電子それぞれに、不対電子１個持つ水素原子が近づくと不対電子同牛がペア（共有電子対）を作る。このように共有結合を作ると酸素原子のＬ殻に８個の電子が回ることになり、希ガス元素のＮｅ原子に似た電子配置(閉殻)となる。
二酸化酸素分子ＣＯ2と窒素分子Ｎ2。ＨとＨの結合は２個の電子つまり一対の共有電子対でできている（単結合）。
二酸化炭素分子ＣＯ2中の酸素原子Ｏは２つの二つの不対電子を持つので、全ての不対電子がペアを作ろうとして、炭素原子に２対の共有電子対が形成される（二重結合）。
自然はエネルギーが小さくなる方向に変化を起こす。エネルギーが小さい谷底の状態になると安定する。
原子同士が安定な結合を作ると必ず熱や光などの形でエネルギーが放出される。
共有結合をする原子が出し合うのは、遂になっていない電子(不対電子)である。この不対電子の数やイオンになったときの価数を原子価と言う。
一方の原子が電子を出し、もう一方はそれを受け入れているだけで、結果として共有し合って結合ができる。２つの原子が、一方のイオンや非共有電子対を共有し合ってできる結合を配位結合と言う。
分子が集まってできた物質を分子性物質と言う。個体のときは結晶になっているものが多い（分子結晶）。分子が集合しているのは、分子間に引力が働いているからである。
温度とは、熱運動の激しさを表す指標。
分子同士の間に働く力を分子間力と言う。構造が似ている分子では、分子間力は、分子１個の質量が大きいほど強い。分子間力が強い物質ほど、融点や沸点が高い。
電子を引き付ける強さを、電気陰性度と呼ぶ。
水素分子Ｈ:Ｈのように同種の原子が共有結合しているとき、原子間の共有電子対は、どちらの原子にも偏らない。Ｈ2Ｏのように異種原子間にあり共有電子対は、電気陰性度のより強い原子の方に引き寄せられる。電気陰性度の大きい方の原子は少し負に帯電する。極性があると言う。
無極性分子と極性分子。二酸化炭素ＣＯ2は、Ｃを中心にＯ=ＣとＣ=Ｏという２つの結合からできている。この２つの結合は、向きが反対で大きさが等しい極性を持っている。二酸化炭素は直線系であるために、極性は打ち消し合って分子全体としては極性を示さない。水Ｈ2Ｏは折れ線型であり、２つのＯ-Ｈ結合にある極性はお互いに打ち消し合わないので、分子全体として極性を持つ。
同じ族で同じような形の分子を作るときは、分子同士に働く分子間力は分子量が大きいほ強くなる。
水は、水同士を引き付ける力が分子間力だけではなく、極性分子であるために電気的に引き合っているために融点と沸点が高い。水素結合は、陰性原子に結合している水素が別の陰性原子との間で形成する、分子結合より強い結合である。
共有結合は強いので、これらの物質の融点は高い。共有結合の結晶全体のことを巨大分子と言うこともある。
金属原子は他の原子と反応すると、電子を失い陽イオンになりイオン結合の化合物を作る。金属原子が多数集まると、原子から価電子が放出され金属中を自由に移動できるようになる。価電子は全ての原子によって共有される。金属内を自由に移動できる価電子を自由電子と言う。金属結合は、金属原子同士が結びつき、陽イオンと自由電子からなる結合である。
電流は電子の流れであり、自由電子があるために金属は電気をよく導く。熱運動を自由電子が伝えるため熱もよく導く。自由電子による結合には方向性がないため、どんな形になっても結合ができる。そのため、金属は引っ張ると延びる延性や叩くと広がる展性を示す。金属の中では電子は自由に動けるので、特定の波長の光を吸収することなく全てを反射するので、金属光沢を持つ。
イオン結合、共有結合、金属結合は強い結合である。分子性物質(分子が集合してできた物質)だけに、気体や液体が存在するのは、分子同士を集合させている分子間力が弱いからである。
分子結晶。分子間力は弱い力なので、融点･沸点は低い。固体であっても直接気体になり(昇華)やすいものも多い。気体から固体になることも昇華と言う。
■ 物質の状態
硫黄は構成粒子が規則的に並んでいる。後世粒子の配列が不規則であるガラス･べっこう飴･プラスチックは、無定形固体または非結晶(アモルファス)と言われる。柔軟性や流動性といった液体としての性質を持ちながら。構成する分子がある方向では規則性を持って並んでいるものがある。液晶は、方向によって光を通す性質が異なる。
個体の粒子はその場所で振動している。固体や液体の温度を高くすると運動が激しくなるので、体積が膨張する。
気体分子は全ての分子が同じ速さで熱運動してはいない。分子の平均の早さは温度が高いほど大きく、同じ温度では分子量が小さいほど大きい。気体の拡散速度は、分子が互いにぶつかり合うので遅くなる。
一端を閉じたガラス管に水銀を満たす。水銀の入った容器に中に入れると、容器の水銀面の76�兢紊里箸海蹐濃澆泙襦平振�が生じる）。水銀柱は容器の水銀面に空気の分子がぶつかることによって生じる大気圧で支えられている。水であれば約10ｍの高さである。
１Pa(パスカル)は、１�屬烹隠�(ニュートン)の力が働いたときの圧力。
気体分子の一部は液体に飛びこみ、その運動エネルギーを周囲に渡して液体の状態になる。周囲に渡す熱を凝縮熱と言い、蒸発熱に等しい。
互いに逆向きの変化の速さが等しくなり、見かけ上の変化が認められない状態を平衡状態と言う。
液体は温度を上げていくと、蒸気が発生し、液体内部から泡立つ（沸騰）。高温の蒸気を冷やしていくと、沸点で凝縮が起り始める。
気体は種類によらず、同温、同圧のもとでは同体積中に同数の分子を含む（アボガドロの仮説）。
ボイルの法則。気体の体積Ｖを圧力Ｐの積は一定［Ｐ×Ｖ＝一定］。圧力をＰ1からＰ2に変化させると［Ｐ1Ｖ1＝Ｐ2Ｖ2］。気体の体積を1/nにすれば単位体積中の分子数はｎ倍になり、器壁の単位当たりの衝突分子数もｎ倍になる。
一定圧力の下で、一定質量の気体の体積は絶対温度に比例する［Ｖ/Ｔ＝Ｖ0/Ｔ0］。一定質量の気体の体積は、絶対温度に比例し、圧力に反比例する［Ｐ1Ｖ1/Ｔ1＝Ｐ2Ｖ2/Ｔ2］。
温度ＴＫで体積ＶmＬの１molの気体は、どんな気体でも標準状態でＶ0＝22.4Ｌ/mol。これを代入すると［ＰＶm/Ｔ＝Ｒ］が導かれ、Ｒは気体定数と呼ばれる。［ＰＶ/Ｔ＝ｎＲ］
液体に別の物質が解ける現象を溶解、均一な混合物になった液体を溶液と言う。液体（溶媒）の解けている物質を溶質と言う。溶解すると液体は透明になる。溶解すると溶質の分子やイオンがバラバラになる。可視光が反射や散乱を起こさ素通りしてしまう。
酸と塩基(アルカリ)が中和して生じる塩（塩化ナトリウムNaCLなど）や、金属の水酸化物である塩基（水酸化ナトリウムNaOHなど）は、イオン結合の物質であし、電解質（水に溶けると電気を流す）である。
酸は多くのものがイオン性の物質ではなく分子性物質であるが、極性分子であり、水に溶けてイオンを生じるために電解質である。電解質は多くのものが水に溶けやすい。
非電解質でも分子中に-OH(ヒドロキシ基)を持つ物質は、水に溶けやすい。水分子と-OHが結びついて水和する。無極性分子(油性の物質)は水和しない。
水への溶けやすさは、多くの要因が関係した複雑な現象である。
溶質が解けなくなった溶液を飽和溶液と言う。単位時間に結晶から溶け出す粒子の数と結晶表面に戻る粒子の数が等しくなると、見かけ上の溶解が止まる（溶解平行）。
多くの個体物質は、温度が高くなるほど溶解度が大きくなる。温度が高くなると粒子の熱運動は活発になり、結晶から溶け出す粒子が増える。
温度が高くなると分子の熱運動が減げしくなり、液体に溶け込む気体の分子数より、液体表面から外へ飛び出す分子数の方が増加するため、気体の溶解度は減少する。気体の溶解度は、温度が変わらなければ、溶媒に接しているその気体の圧力に比例する。
ppmは100万分の１、ppbは10憶分の１。気体の場合は体積の割合、液体や固体の場合は質量の割合として用いることが多い。
蒸発しにくい(不揮発性)物質が融けた溶液の沸点は高くなる。沸点の上昇度は濃度に比例する。沸点とは、液体の蒸気圧が外圧と等しくなる温度である。
溶液の凝固点は、溶媒の凝固点より低くなる。海水を凍らせたとき、あまりしょっぱくない氷ができる。凍り始めるのは水なのだ。ジュースを凍らせたとき、サクサクの氷の隙間に濃縮された果汁がしみ込んでいる。
道路に撒く凍結防止剤=塩化カルシウムや塩化ナトリウムは、溶液の凝固点降下を利用して、氷点下でも凍らないようにしている。
水分子が通れるくらいの穴が開いているが、大きな溶質分子は通れない膜を半透膜と言う。細胞を包んでいる細胞膜は、半透膜に近い。半透膜を隔てて濃度の異なる溶液が接すると、薄い方から濃い方へと溶媒粒子がしみ込んでいく（浸透）。溶媒と溶液を半透膜で隔てたとき、溶液側に圧力を加えていくと溶媒の浸透は止まる。このとき加えた圧力を、この溶液の浸透圧という。
浸透圧は絶対温度に比例する。浸透圧は、モル濃度にも比例する。
野菜に食塩をかけると濃厚溶液ができ、その浸透圧で葉の中から水が外に出る。肉や魚を焼く前に塩をかけると水分が出て身が引き締まり、型崩れしにくく、肉汁がしみ出しにくくなる。
半透膜を隔てて海水に浸透圧以上の圧力をかけ淡水を作る方法を逆浸透法と言う。
牛乳のように分離せず混合しているが、不透明なものをコロイドと言う。蛋白質水溶液は、全てコロイドである。大きな粒子が分散し、光を散乱させる。空気中に光の道が見えるのは、ほこりなどのコロイドが光を散乱させるからである。液体のコロイドをコロイド溶液またはゾルと言う。
血液透析は、浸透膜を隔てて静脈決と透析液を接触させ、血液中の尿素などの老廃物を除去します。
コロイド粒子が沈殿しないのは、電荷を帯びて反発し合っているから。直中電圧を加えると、コロイド粒子全体が反対符号の電極へと移動する。コロイドの混合物を分離することができる。
■ 化学変化の仕組みといろいろな反応
水素と酸素は反応物。できた水は生成物。
炭素と水素からできた炭化水素を燃やすと、炭素は二酸化炭素ＣＯ2に、水素は水Ｈ2Ｏになる。酸素と激しく反応することを燃焼(酸化反応)と言う。熱が出る化学反応を発熱反応、熱を吸収する反応を吸熱反応と言う。
原子同士の結びつきが弱いほど、大きな化学エネルギーが蓄えられている。弱い結びつきがほどけて強い結びつきができると、発熱反応が起き、反応物は熱となった分だけ化学エネルギーを失い安定したエネルギー状態の生成物（原子同士が強く結びついた化合物）になる。
鉄と酸素が化合して出る熱を利用するのが使い捨てカイロ。
原子や分子やイオンがバラバラになるときは温度が下がる（吸熱反応）。結びつくと温度が上がる（発熱反応）。結合を切断するのにエネルギーが必要だからである。
単位時間に反応物あるいは生成物が変化する濃度や物質量で反応速度を表す。物質Ａが変化するとき、［反応速度ｖ＝(Ａ2−Ａ1)/(ｔ2−ｔ1)］。
化学反応は反応物質の分子の衝突によって起こる。「反応速度が大きい」というのは、「単位時間内の衝突回数が多い」ということ。反応速度は、温度、濃度、いろいろな条件の影響を受ける。
反応はいくつもの素反応から成り立っている。
反応を起こさせる最低限のエネルギーを活性化エネルギーと言う。火をつけたり、電気火花を飛ばすのは、この山を超えさせるのに必要なエネルギーである。
エネルギーの山を低くして、反応を進みやすくするのが触媒である。
可逆反応において、見かけ上、反応が停止したような状態に達する（化学平衡）。
酸とは水溶液中で水素イオンＨ+を与える物質である。構成している水素元素が、水溶液中で電離して、水素イオンになるかならないかによって、酸かどうかを決める。酸っぱい味がする、リトマス紙を赤くするという性質は、水素イオンＨ+による。
水素イオンは、水素元素のただ一つの電子を失ってできたプロトン(陽子)１個、水素の原子核そのもの。実際は、オキソニウムイオンＨ3Ｏ+である。
塩酸HClに水を加えると、［ＨＣｌ＋Ｈ2Ｏ → Ｈ3Ｏ+ ＋ Ｃｌ-］となる。
塩基は酸の性質を打ち消す性質を持つ物質であり、酸と中和して塩と水を生じる。アルカリと言う言葉は、塩基と区別しないで用いられている。塩基の内、水によく溶けるものをアルカリとする用い方もある。
酸とは水素イオンを与える物質、塩基とは水素イオンを受け取る物質。一つの物質が酸としても塩基としても働く。
酸としての性質を示す水素を１個持つ酸(１価の酸)と２個以上持つ酸がある。塩基の場合も、見かけ上２個の水酸化物イオンを生成する塩基を２価の塩基と言う。
水の一部は、［２Ｈ2Ｏ ⇔ Ｈ3Ｏ+ ＋ ＯＨ-］簡略化して［Ｈ2Ｏ ⇔ Ｈ+ ＋ ＯＨ-］のように電離している。
水素イオン濃度［Ｈ+］の値を［10^-x］と表したとき、ｘをpHと呼び、水溶液の酸性･塩基性の強さを表す。［pH＝-logＨ+］。中性はpH=７。酸性の水溶液は７よりも小さく、塩基性は７よりも大きい。
胃液には塩酸が含まれpH=1.5〜２。血液は7.4である。
酸と塩基の中和反応は、水Ｈ2Ｏが生成する［Ｈ3Ｏ+ ＋ ＯＨ- → ２Ｈ2Ｏ］。
石灰石は安価で大量に入手しやすいので、酸性を弱めたいときによく用いられる。
有機物は炭素や水素を構成要素とするので、有機物が燃焼すると炭素は二酸化炭素に、水素は水になる。［炭素,水素 ＋ 酸素 → 二酸化炭素 ＋ 水 ＋熱･光］
ある物質が酸素と結合したとき、「物質は参加された」と言い、その変化を酸化と言う。酸化によってできる生成物を酸化物と言う。
酸化物が酸素を失ったとき「物質は還元された」と言い、その変化を還元と言う。
酸化銅を水素で還元することができる［ＣｕＯ ＋ Ｈ2 → Ｃｕ ＋ Ｈ2Ｏ］。水素は酸化銅で酸化され、酸化銅は水素によって還元されている。
酸化は、水素を失う変化とも定義される。
酸化は反応に関わる原子あるいは原子団が電子を失うこと。還元は、電子を獲得すること。酸化と還元は必ず同時に起こる。
酸素原子･水素原子または電子のやり取りが行われている反応を、酸化還元反応と言う。
［２Ｈ2 ＋ Ｏ2 → ２Ｈ2Ｏ］のように、共有結合が関係している酸化還元反応では、電子のやり取りの関係がはっきりしない。
酸化剤は、相手物質を酸化し（電子を奪い）、自身が還元される物質。酸化剤は、水素など不安定な水素の化合物など。
強い酸化剤〜強い還元剤の系列の中位の物質は、上位の酸化剤に対しては還元剤として働き、強い還元剤に対しては酸化剤として働く。
電池は、酸化還元反応を利用して、化学反応エネルギーを電気エネルギーに変える装置。両方の極の間に生じる電位差を電池の起電力と言う。
化学式にaqが付くと水溶液を表す。
ボルタ電池では、イオン化傾向の大きい亜鉛が融けてＺｎ2+になったときに放出される電子が導線を通って銅板に達し、その表面で水素イオンに与えられる。
Ｚｎ → Ｚｎ2+ ＋ ２ｅ-
２Ｈ+ ＋ ２ｅ- → Ｈ2
繰り返し使うことができる電池を二次電池または蓄電池と言う。
燃料電池では、燃料を酸化することによって発生する化学エネルギーを、直接電気エネルギーに変換する。酸素燃料電池では、
２Ｈ2 ＋ ４ＯＨ- → ４Ｈ2Ｏ ＋ ４ｅ-
Ｏ2 ＋ ２Ｈ2Ｏ ＋ ４ｅ- → ４ＯＨ-
全体として、［２Ｈ2 ＋ Ｏ2 → ２Ｈ2Ｏ］。
燃料電池では、60％のエネルギー効率が可能。各家庭に設置すれば、送電ロスもなくなる。現在は、水素（実際は天然ガス）を燃料としている。
電気分解は、電極物質と電解質の中で最も参加されやすい物質が陽極へ電子を放出し、最も還元されやすい物質が陰極から電子を受け取る。
木炭や石炭やコークスの炭素によって酸化物や硫化物で存在する鉱石を還元して単体の金属を得る。単体の金属を得やすいものから利用された。金、銀、水銀、銅、錫、鉄は、イオン化傾向が小さい金属である。
空気は0.04％の二酸化炭素を含み、雨は弱い酸性(pH5.6)を示す。pH5.6以下が酸性雨。日本各地に降っている雨は殆どがpH5.0以下。
Ｃｌ-は殆どが海水由来。酸性雨の原因物質は、硫酸Ｈ2ＳＯ4(ＳＯx)と硝酸ＨＮＯ3(ＮＯx)。
有機化合物のグループに特徴的な構造を「基」と言う。アルコールはＣとＨの部分にＯＨが結合している。アルデヒドは、ＣＨＯを持っている。カルボン酸は、ＣＯＯＨを持っている。ラジカル(遊離基)は、基の部分から分子が離れたもの。
［･ＯＨ］ラジカルは、オゾンＯ3が紫外線のエネルギーを吸収し、エネルギーの高い励起状態(Ｏ3*)になる。励起状態は、電子がエネルギーの高い軌道に飛び移った状態。化学反応を起こしやすくなる。
Ｏ3 ＋ ＵＶ → Ｏ3*
Ｏ* ＋ Ｈ2Ｏ → ２･ＯＨ
･ＯＨラジカルは不対電子を１個持っている。そこに電子を引き付ける。相手の物質を酸化する力が強い。･ＯＨは、様々な気体を酸化･分解する。･ＯＨラジカルでも分解できないのがフロン分子。
空気中にオゾンなどの参加力の強い物質(オキシダント)が作られる。オキシダント（光化学スモック）は、ＮＯxを含む空気に紫外線(ＵＶ)が作用することによって発生する。
■ 無機物質
周期表でアルミニウム階段を境にして、左側が金属元素、右側が不金属元素。金属元素は全体の８割を占める。
非金属元素の単体の多くは分子からなり、個体では分子結晶を作る。炭素Ｃやケイ素Ｓｉの単体は、巨大分子からなる共有結合の結晶。高い融点を持つ。
物質は、金属、イオン性物質（イオン結合物質）、分子性物質に分けられる。固体(結晶)で言えば、金属結晶、イオン結晶、分子結晶。イオン性物質は化合物なので、イオン性化合物とも言う。イオン性物質は、金属元素の原子と非金属元素の原子が結びついてできている。
周期表において、左下に近いほど陽性(陽イオンになり易さ)が増す。最外殻の電子(価電子)が原子核から遠くなり、離れやすくなる。右上に近いほど陰性(陰イオンになり易さ)が増す。他から電子を受け入れる空いている軌道が原子核のちかくにあるほど、電子を受け入れやすい。
分子性物質は、単体も化合物も非金属元素の原子からできている。
金属 … 金属元素の原子
イオン性物質 … 金属元素と非金属元素の原子
分子性物質 … 非金属元素の原子
イオン性物質は、個体では電荷を持ったイオンが動けないが、液体や水溶液になるとイオンの流れが電流となる。
周期表の17族の元素をハロゲンと言う。ハロゲンの原子は、最外殻の電子が７個で、結合する相手の原子から１個の電子を貰って１価の陰イオンとなり易い。ハロゲン単体の酸化力は、原子番号が小さいほど強い。原子核に近い電子殻の方が他の原子の電子を引きつける力が大きい。［相手を酸化した＝自分は還元された＝電子を得た］。ハロゲンの単体は有毒である。
酸素元素０は海中では水Ｈ2Ｏとして、岩石中では二酸化ケイ素ＳｉＯ2などの化合物として存在し、地球表面で最も多く存在する元素である。
酸素分子は、酸素原子が二重結合で結びつく。電子が全て対を作っている(不対電子が無い)ならば、分子は安定している。酸素原子どうしは１対の共有電子対を作って酸素分子になり、それぞれの酸素原子上には１つの不対電子が残る。実際の酸素分子は、中間の状態で存在している。
地球大気の78％を占めるには窒素の単体。窒素化合物のアンモニアＮＨ3や硝酸ＨＮＯ3は、化学工業にとって重要な物質である。
アンモニアは、窒素と水素から互生される［Ｎ2 ＋ ３Ｈ2 −触媒→ ２ＮＨ3］。
窒素の酸化物ＮＯzはノックスと呼ばれる。二酸化窒素は有毒である。
硝酸とアンモニアから作られる硝酸アンモニウムＮＨ4ＮＯ3は、肥料や爆薬に用いられる。
リンＰには、１種類の元素からできている性質の異なる単体（同素体）がある。リンは動植物の体には不可欠の成分。骨は半分以上がリン酸カルシウムである。
炭素Ｃの単体には、ダイヤモンドや黒鉛(グラファイト)などの同素体がある。ダイヤモンドはあらゆる物質の中で最も固く、黒鉛は柔らかく、電気を通し、電極や鉛筆の芯に用いられる。
二酸化炭素は石灰水に通すと白濁する。一酸化炭素は、血液中のヘモグロビンと結びつく。
ケイ素(シリコン)Ｓｉは、地殻中に酸素の次に多く存在する。電気伝導性は半導体である。水晶や石英や珪砂は、二酸化ケイ素ＳｉＯ2である。ガラスの主成分は、珪酸ナトリウムである。
水素の単体は２原子分子Ｈ2。常温で最も軽い気体である。水素は原子核と電子が近く、電子を失う傾向が小さく、電子対を作り共有結合を形成する。
周期表の18族は希ガス元素。アルゴン、ネオン、ヘリウムについては、普通の意味での化合鵜物は得られない。
ヘリウムは沸点が低いことから、液体ヘリウムは超低温を得るのに用いられる。
アルカリ金属（１族のリチウムＬｉ以下）は、最外殻の電子が１個で、結合する相手の原子に、その１個の電子を渡して１価の陽イオンになりやすい。
最外殻の電子が、原子核から離れるほど外れ易く、原子番号が大きいほど１価の陽イオンになり易く、水との反応性が激しくなる。
２属の原子は、最外殻の電子が２個で、結合する相手の原子に２個の電子を渡して２価の陽イオンになり易い。２属のＣａ以下はアルカリ土類金属。その単体は水と反応して水酸化物を生じる。
アルカリ金属やアルカリ土類金属の単体や化合物は、特有の炎色反応を示す。電子エネルギーが低い状態いから高い状態に高められ、低い状態に戻るときに可視光線の波長の電磁波を出す。
アルミニウム、亜鉛の単体と酸化物と水酸化物は、酸にも強塩基(アルカリ)の水溶液にも溶ける（両性）。両性を示す元素は、周期表で非金属元素の境界ああたりにある。
遷移元素は、３族から11族に属する金属元素。価電子は１〜２個。同じ周期では族が変化しても性質の違いが少ない。
鉄Ｆｅで、炭素の含有量が0.04〜1.7％のものを鋼と言う。炭素の含有量が多いほど鋼は硬くなる。鉄にクロム18％、ニッケル８％を混ぜた合金が18-8ステンレス。
赤鉄鋼などの鉄鉱石を溶鉱炉で還元して鉄を作ることを製鉄と言う。溶鉱炉から得られる銑鉄は炭素を多く含んでいてもろい。転炉で銑鉄に酸素を吹き込み、炭素を燃焼させると炭素含有量の低い鋼になる。
白金は酸化･還元の触媒に用いられる。
脳の血管の関門は、油に溶けやすい性質を持った物質は通すが、水に溶けやすい性質を持った物質、特にイオンは通さない。メチル水銀は、この関門を通過し易く、また胎盤を通して胎児にも蓄積する。
■ 有機化合物
食材は加熱し続けると燃える。有機化合物は燃える。
有機化合物は、分子内に炭素を含んでいる化合物。炭素骨格に水素原子が結合した炭化水素ＣmＨnが基本となる化合物。酸素、窒素、リン、硫黄、ハロゲンなどの元素も結合している。
炭素原子には結合の手(価標)が４本ある。多数の炭素原子が連続して結合できる。化学式が同じで構造が異なる物質を異性体と言う。炭素原子間には、二重結合や三重結合も作ることができる。結合の種類が多く、連続して結合できる炭素原子が基本骨格になっているので、多種類の有機物が存在する。
個体から液体へ、液体から気体への変化は、有機物の方が低い温度で起こる。殆どの有機物は分子でできていて、分子間力が弱いからである。無機化合物は多数のイオンがイオン結合している。
有機化合物で起こる反応は反応速度が遅く、複雑なものが多い。
有機化合物の性質は、炭素(炭化水素)の並び方(基本骨格)、官能基に注目して予想する。官能基は、同じグループに属する化合物の共通の反応性の要因となる原子団である。
有機化合物は、炭化水素の基本骨格に官能基が結合したもの。
鎖式炭化水素は、二重結合や三重結合を持たない飽和炭化水素と、それらを持つ不飽和炭化水素に分類される。
水素がこれ以上結合できない飽和状態の炭化水素を飽和炭化水素と言う。不飽和は、二重結合や三重結合の部分にまだ水素が結合できるという意味である。
環式炭化水素は、芳香族炭化水素と脂環式炭化水素に分類される。芳香族炭化水素は、６つの炭素原子が環状構造(ベンゼン環)を作る炭化水素。
官能基は機能(化学反応性)を決める原子団を示す。ＯＨはアルコールに共通なヒドロキシ基。酸性のカルボキシ基(-ＣＯＯＨ)。塩基性(アルカリ)のアミノ基(-ＮＨ2)、中性で反応性に富むカルボニル基(>Ｃ=Ｏ)。
メタンは、１つの炭素原子に水素原子が４つ結合したＣＨ4。常温で気体の物質である。
空気より軽いメタンは室内では上から溜まり、プロパンは下から溜まる。
異性体の中で、構造式が異なるものを構造異性体と呼ぶ。イソブタンとブタンは同じ分子式。結合軸が回転しただけである。
不飽和炭化水素は、化学反応を起こしやすい。
二重結合は、炭素-炭素原子間に２組の共有電子対(４つの電子)があるように描く。実は、２組の結合の立体構造には差がある。二つ目の電子は、分子の表面に近い。二つ目の結合の方が反応を起こし易い。
分子内に２つの二重結合を持つものをアルカジエンと言う。化合物の名前をつけるとき、同じものが２つあるとき「ジ」。３つの二重結合を持てば、「トリ」。多くの二重結合を持つときには「ポリ」という接頭語をつける。
環状構造を持つ炭化水素を環式炭化水素と言う。環式の接頭語は「シクロ」。６つの炭素からなる環式炭化水素はの構造は安定している。
ベンゼンの仲間には芳香を持つものが多いので、芳香族化合物と言う。マイケル･ファラデーはベンゼンの発見者でもある。ベンゼンの骨格は平面的で正六角形。全ての炭素間は、1.5重とでもいうべき状態にある。６個の炭素原子の化学性質は同じである。
ベンゼン環上の置換基の位置関係だけが異なる異性体も、構造異性体の一種。
塩素化合物ができる反応を塩素化、ハロゲン化合物ができる反応をハロゲン化と言う。
ベンゼン環は安定だが、側鎖は反応性に富んでいる。側鎖上の酸化、還元、ハロゲン化などは、官能基を変換する手段である。
ヒドロキシ基を持つ仲間には、アルコールとフェノールがある。
アルキル基(Ｒ) ＋ -ＯＨ → アルコール
ベンゼン環 ＋ -ＯＨ → フェノール
アルコールやフェノールのＯ-Ｈは活性が高く、Ｈが容易に置き換わる。水が取れた分だけ分子が縮んで結合するので、脱水縮合と言う。
光に対する性質が異なる異性体を光学異性体と呼ぶ。光学異性体は、アミノ酸や糖類など、天然物に多く見られる。
結合する４個の基が全て異なる炭素原子を、不斉炭素原子と言う。不斉炭素原子の基の結合には、位置関係が異なるつながり方がある。右手と左手のように鏡像の関係にあり、互いに重ね合わせることができない。
■ 高分子化合物
高分子化合物(ポリマー)は、基本になる分子がつながることで、鎖状または網目状の構造になる化合物である。基本になる分子のことをモノマー(単量体)、２個つながったものがダイマー、８ぐらいまでをオリゴマーと言う。グルコース(ブドウ糖)はモノマー、スクロース(ショ糖や砂糖)はダイマー、オリゴ糖はオリゴマー。グルコースが数万以上重合した高分子化合物を澱粉と言う。
モノマーを繋げてポリマーにすることを重合と言う。
隣り合った２つ分子の間で、水分子が１個取れることで結合する脱水縮合。縮合が繰り返されてポリマーができる重合を重縮合と言う。
糖は、アルコールと同じようにＯＨ基(ヒドロキシ基)を持つ仲間に分類される。ＯＨ基の数が多くなると、甘さと感じられるようになる。
アミノ酸は、分子の中にアミノ基(-ＮＨ2)とカルボニル基(-ＣＯＯＨ)を持つ化合物(カルボン酸)を持つ化合物。アミノ酸の-ＣＯＯＨ基と-ＮＨ2基との間で水が取れ、脱水縮合が起る。そして、さらに別のアミノ酸につながる。これを繰り返すと、アミノ酸のポリマー(蛋白質)ができる。
カルボン酸とアミンとの間でミスが取れ、縮合した化合物をアミドと言う。-ＣＯ-ＮＨ-結合をペプチド結合と呼ぶ。高分子の蛋白質になったものはポリぺプチドと言う。
アミノ酸には光学異性体、Ｄ-体とＬ-体がある。殆どの動物の蛋白質は、Ｌ-体のアミノ酸が縮合したもの。Ｄ-グルタミン酸ナトリウムでは、何の味覚も感じない。
蛋白質のポリペプチド鎖は、螺旋形(α-ヘリックス構造)をしている。
■ 人間と化学のかかわり
糖質は、炭素Ｃと水Ｈ2Ｏが結合した炭水化物。グルコース(ブドウ糖)には異性体がある。澱粉は、α-グルコースがつながった高分子化合物。セルロースはβ-グルコースがつながった構造である。
脂質(中性脂肪)は、炭素数の多い脂肪酸とグリセリンからできたエステルの構造を持っている。脂肪酸は、分子中にカルボキシ基を１個持つ鎖式カルボン酸。
固形のものを脂、液体のものを油の字をあてる。
脂質は体内で、消化酵素のリパーゼによって脂肪酸とグリセリンに加水分解（脱水縮合の逆）される。
炭素数の多い基(多くのＣ-Ｈ結合を持つ)はエネルギーに富む。
ＯＨ基やＮＨ2基やＣＯＯＨ基などの極性の官能基は親水基。油脂などにある長い炭化水素鎖は疎水基。
糖･澱粉･蛋白質･アミン酸は親水基を多く持つ。これらは無極性の溶媒(油)には溶けない。
蛋白質はアミノ酸の高分子(ポリマー)。天然のアミノ酸は360種あり、蛋白質を構成するアミノ酸はその内の20種類。その内の８種類は人体内では作れない。
アミノ酸は、ＮとＣ，Ｈ，Ｏを含む。蛋白質は代謝されると、Ｃは二酸化炭素に、Ｈは水になり、Ｎは哺乳動物では尿素ＣＯ(ＮＨ2)2として排出される。
ビタミンは有機物、ミネラルは無機物。酵素の働きに必要な成分である。
塩化ナトリウム(ＮａＣｌ)は食塩、ＮａやＫのイオンは細胞内外の物質の輸送や神経細胞の信号伝達に関与する。血液のモグロビンは鉄Ｆｅを含む。
これらの栄養素は、多様な食品をバランスよく撮っていれば不足することはない。
リサイクル可能なプラスチックには、ＳＰＩコード(プラスチックの材料識別コード)が付いている。日本独自のプラスチックのリサイクル標識もある。
プラスチックは天然に存在しない物質。微生物によって分解されない。自然界の微生物が分解できるプラスチックを、生分解性プラスチックと言う。
アルミ缶のリサイクル率は高く、８割にのぼる。アルミニウムと新しく製造するよりも、リサイクルした方が消費エネルギーが少ない。
人間が出す最大の廃棄物は二酸化炭素。
地球を宇宙から見た場合の温度は-18℃。地表の平均温度は15℃である。
界面とは、液体と気体、液体と液体、個体と気体などの境目。水に溶けて、その表面の性質変える=表面張力を下げる物質を界面活性剤と言う。界面活性剤は、親油基と親水基を持っている。
水の有機物含有量を表す尺度がＢＯＤ(生化学酸素要求量)とＣＯＤ(化学酸素要求量)。富栄養化の最大の要因となる栄養塩は窒素とリン。植物の三大肥料の窒素、リン、カリウム。一般に水中には、窒素とリンが少ないために、植物の活動は制限されている。
オゾン層が紫外線を吸収して地表に達する紫外線が減少した。生物が陸上の上れたのは、４億年前だ。
成層圏では、高度と共に気温が上がる。オゾン層が紫外線を吸収し、熱に変えている。大気の対流は起こらない。
フロンの問題は、世界中の国が歩調を合わせて、削減から廃絶に至るシナリオに合意できた成功例だろう。
古代文明でも環境破壊は見られる。エジプト、メソポタミア、中国には、かつて肥沃な土地が広がっていた。農耕や畜産、森林伐採を行ったために土地が荒廃し、砂漠化してしまった。文明は消滅し、人々は新天地へ移動した。
核酸は、窒素を含む環状構造の塩基、五角形をした糖のリボース、リン酸が組みあ合わさった構成単位であるヌクレオチドが繰り返されてできている。
窒素を含む環状の塩基部分はアデニンＡ、グアニンＧ、シトシンＣ、チミンＴの４種。ＤＮＡ全体は二十螺旋構造をとる。
酵素は、生体内で穏やかに化学反応を進める触媒。各酵素が働きかける作用する物質(基質)を識別し（基質特異性）、作用する反応も決まっている（反応特異性）。
酵素は蛋白質からできている。触媒作用を行う部位を活性部位と言う。三次元構造を作るために、基質を見分けることができる。基質分子が鍵、酵素が作る空間は鍵穴に相当する。酵素は、基質の立体異性まで識別する能力がある。
植物中に見出される窒素を含む苦みを持つ成分をアルカノイドと言う。ニコチン、カフェイン、チョコレートのテオブロミン、コカインには、興奮作用がある。
ＭＲＩは磁石と電磁波を使い、断層画像を得る。水素の原子核を観察する。生体組織に含まれる水の水素原子を見ている。被検者をドーム型の磁石の中に入れ、水素元素がエネルギーを吸収する。電波を切ると、ある緩和時間をかけてエネルギーを放出する。生体組織の性質や構造によってこの緩和時間に差がある。
