「元気が出る俳句」 倉阪鬼一郎 2014年 幻冬舎新書

 「心の凝りやよどみをほぐしてくれる」俳句を集めた解説書。勉強になりました。ありがとうございました。 以下は特に印象に残った句と語です。


コンビニのおでんが好きで星きれい 神野紗季

4Bで描く白菜の断面図 浦川聡子

ああわたしたぶん誰かの春の夢 照屋眞理子

恋猫や世界を敵にまわしても 大木あまり

満開の桜をジェットコースター 右城暮石

いそぎんちゃくその他生きとし生けるもの 京極杞陽

雪とけて村一ぱいの子ども哉 小林一茶

きりぎりすさあとらまえたはあとんだ 廣瀬惟然

白藤や揺りやみしかばうすみどり 芝不器男

外にも出よ触るるばかりに春の月 中村汀女

ひまわりが無伴奏で咲いている 小野裕三

梅一輪一りんほどのあたたかさ 服部嵐雪

丸洗ひして猫の子のこれつぽつち 土肥あき子

風船を持つ手は少し高く上げ 雪我狂流(ゆきがふる)

潜る鳰浮く鳰数は合ってますか 池田澄子
*鳰(にお)はカイツブリ

これはこれはとばかりに花の吉野山 安原貞室

ノーサイド仰ぐ俯(うつむ)く跪(ひざまず)く 今井 聖
雪の夜扉ひらけばいきなりジャズ

はるふかし こちらはじいとばあとねこ 林 正行

約束の寒の土筆を煮て下さい 川端茅舎

菜の花や月は東に日は西に 与謝蕪村

田中主任のそういう考え方が鯨 宮崎斗士

青蛙おのれもペンキぬりたてか 芥川龍之介

音立てて転べば誰かが見てくれる 定金冬二
生まれ変わって目玉焼きでもつくらんか
 定金冬二は、現代川柳の大きな名前です。

西瓜ひとり野分をしらぬあした哉 山口素堂

死ぬときは箸置くように草の花 小川軽舟