「俳句鑑賞1200句を楽しむ」 宮坂静生 2023年 平凡社

 『俳句必携 1000句を楽しむ』の続巻。「日本農業新聞」および「NHK俳句」の鑑賞文を収録しています。現代の抽象詩っぽくて解り難いものが多い収録されています。最近の俳句の傾向が少しわかりました。 以下は特に印象に残った句です。

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 斧入レて香におどろくや冬木立 与謝蕪村

 ヒヤシンス日数数えてごらんなさい 小原啄葉

 去年(こぞ)の巣の土ぬり直す燕かな 長之

 降ろされて息を大きく鯉のぼり 松本英夫

 初恋は転がりだした夏蜜柑 宮野初音

 大西日街全体が傾いて 前北かおる

 物置はタイムトンネル捕虫網 金子 敦

 猫の子に齅(かが)れて居るや蝸牛 才麿

 雪の朝二の字二の字の下駄のあと 田 捨女

 わたくしを好きかも知れぬゑのこ草 小豆澤裕子 ゑのころ草:猫じゃらし

 ゆすらるるたびにときめき芋の露 西宮 舞

 新蕎麦や店主ぶつきらぼうがよし 中島修之輔

 影の世が見え白芒白芒(しろすすき) 鷲谷菜七子

 退屈の真つ只中の木の実独楽 岩井かりん

 この樹登らば鬼女となるべし有紅葉 三橋鷹女

 冬もみじあのあたりまで歩けそう 野木桃花

 煤掃(すすはき)やまだ男手に数へらる 降籏 康

 襟巻の狐の顔は別に在り 高浜虚子

 初しぐれ猿も小蓑をほしげ也 松尾芭蕉