十年国債の金利が2.5%を超えました。日本国が世界から信用を失いつつあるというサインです。財政赤字だけではありません。有効な経済政策が無い。金利を据え置いて、円安を容認して物価高を招き、一部の輸出企業の利益を図り、円安が危険水準になると為替介入をする。あれだけ選挙で大声で叫んでいた物価高対策は何もしない。無策というよりは、国民を不幸にしたいの?と疑わざるを得ないような状態です。
長期金利2.5%超えは、このような日本国政府に対する妥当な評価。日本経済が破綻すれば・・・景気回復の道はただ一つ、戦争だ!タカイチは、戦争の準備を進めていると理解することもできます。
なんてことを考えながら読書です (^^)/
なんてことを考えながら読書です (^^)/
「数学的思考法」 芳沢光雄 2005年 講談社現代新書
古い本ですが、面白そうなので手にとってみました。落ちこぼれを出さないために「やり方」重視し、答の出し方を覚えさせる学習では、論理思考力が身につきません。それは昔から言われてきました。問題は、落ちこぼれさせないで、論理思考力を育てるという、二律背反の課題を「適当」な「按配」で調和させるか。能力別の指導もその一つであることは間違いがありません。学習支援のボランティアでは、低学力のクラスを中心に教えています。より能力が求められる、高学力のクラスも教えられるようにしたいものです。 以下はこの本の引用と要約です。
■ 試行錯誤のすすめ
やり方を暗記して計算する=「条件反射丸暗記」の教育になってきている。考える力を養い、論理説明力を育むために必要なことがなおざりにされている。
■ 間違いだらけの数学観
分数計算ができない大学生。多くは小中学生の頃はできた。やり方を忘れたのだ。やり方から入る教育を受けた者が、やり方を忘れてしまう。
小学生では「数学の考え方」が弱くなり、中学生では「記述式の問題」「長い文章問題」が弱くなった。
論理思考力は、地図の説明(ルートファインディング)の練習で育まれる。
世界の人口の上位は、インド・中国・米国。
ITのソフトウェアをリードしているのがインド。インドの数学教育は、証明と説明を重視する。日本の高校や大学の一般教養で教えない、微分方程式や3行3列の行列、ポアソン分布。微分方程式は、時間とともに変化する自然現象。ポアソン分布は、多くの社会現象。3行3列の行列は、空間の変換。どれも自然-社会現象を捉えるのに必須のもの。インドでは、掛け算の筆算で、0を省略しない。
直観力は大切だが、それだけでは役に立たない。
計算力があれば点を稼げるセンター入試と、論理で考える2次試験の数学の結果には相関関係が弱かった。
日本は、「結論だけ」。説明をしない。イラク戦争開戦時、「米国を支持します」を繰り返すだけの日本の首相と、時間間の説明をした英国の首相。日本の医師は治療方法の説明をあまりしないが、米国の医師は詳しく説明する。
異なる環境で育った人たちが、自らの立場=仮定と、そこから導かれる結果を明らかにし、共通の認識を持てるように説明する。それが国際化。
数式をいい加減に書く癖を子供の頃に身につけてしまった学生が増えている。
「証明の『おもいつき』に『やり方』はありません。試行錯誤をするしかありません」。
課題を解決する以上に、意義のある課題を探すことが重要。
囲碁の世界でも「定石を覚えて二目弱くなり」という格言がある。定石は、その原点を理解しなければ役に立たない。
■ 試行錯誤という思考法
教え方の秘訣。何がわかっていないのかを見つけられる質問をすること。褒めて自信を持たせること。時間のかかる複雑な事項は、先に目的を示すこと。やり方を説明するだけではなく、子供自身に考えさせること。
考えた経験があると『面』として理解できる。
「ひらめき」は、考え抜いた蓄積の上にある。
確率論とゲーム理論。2人で行うゲームにおいて、一方が得た得点は他方が失った得点となる「零和」。確実に取得できる利益額を最大にすることを行動基準とする。それは、失う可能性のある最大の額を最小にするのと同じ。それぞれの選択肢に確率をもたせなかった場合、勝負が定まらない。確率を持たせた場合は、必ず勝負が定まる。
目標を設定して、いろいろな確率をもった様々な事象のどの径路を通って目標到達するかを考えるのが「戦略思考」。
個数を数える。樹形図のような素朴なものを使って数える。
答案を「見直し」によって直せる者は、思考錯誤して考えることが得意。
比例選挙のドント方式は、大政党に有利に作用する。この選挙区では、6人が当選するので、数字の大きい方から6個を選ぶ。ドント方式では、1,2,3,・・・で割っていく。日本を含めてドント方式を採用している国は多い。
政治家や役人は、「各国の対応を見極めた上で」「寄らば大樹の陰」で決める。
受験雑誌の偏差値は、受験生が受験した科目の日頃の成績から算出する。小科目入試にすると、成績は上昇し、偏差値は上がる。私立大学経営者は、入試科目の削減を進めてきた。
計算だけをさせて、意味を考えさせない。定性の「結論」だけにとらわれる。
■ 数学思考のヒント
問題を解決するための要因を「一つ」にしたがる。「一人」に責任をなすりつける。
3で考えると汎化した考え方ができる。2つで考えると誤りやすい。
人間の感覚は、与えられた刺激の変化に対してその対数の変化としてしか感じない[ウェーバー・フェヒナーの法則]。
曜日の計算は、7で割った余りで考える。
数学は、個人の理解度に大きな差がある科目。習熟度別授業により、習熟度に合わせて楽しく学ばせる。「楽しさ」こそが肝心。
場合分けで課題を絞り込む。課題どうしは、内容が関わり合っていることが普通。
有意水準5%は、20回に1回起きるような珍しい出来事は偶然ではないとする。
源氏物語は紫式部が全て書いたのか?宇治十帖は、式部の娘-大弐三位の作ではないか?文章の計量分析の結果は、宇治十帖は紫式部とは別の人間の手になる可能性が高いとしている。
デジタル時代になっても、多くの場合は「有効数字はせいぜい3桁」。
デジタルな数字は、数字列の場所によって、異なる意味を持っている。誤りに対する対策もある。符号理論や暗号理論の基礎は「有限体」。有限体を教えている大学は少ない(2005年当時)。
■ 論理的な説明の鍵
論述能力。仮定から結論を導いている。全体のバランスに整っている。結果だけでなく、根拠となる仮定を述べることが必要。
欧米の若者は「数学は生活に役立ち面白い」と考えている。
「全て」と「ある」の否定文。「全て」の否定は、「ある」の否定になる。全否定と部分否定の表現を国語教育で教える。
背理法に慣れ親しむと、議論の進め方が強引になったり、全体を見る目を欠く傾向を持つように感じる。
数直線上に任意の異なる2点をとると、それらには必ず大小の関係がつく[全順序]。全順序の関係になっていない対象に、いくつかの約束事を設けて全順序の関係を導入するときは、なるべく公平に、多くの人の賛同を得られるようにする。多くの数学者は、何でも数字を用いて序列化したがる社会の傾向を、複雑な思いで見ている。
「人口は制限されなければ幾何級数的に増加する。生活資料は算術級数的にしか増加しない」マルサス。ロジスティック曲線は、自然対数を使て表される。ロジスティック曲線は、生物の個体数の変化を特徴づけるものとして研究された。
基本は直線、力学現象は放物線や楕円軌道、成長過程はロジスティック曲線。
説明文をたくさん書く。全体のあらすじを箇条書きにする。とりあえず全部を書く。全体を確認して書き上げる。説明文を書いていくうえで重要な能力は、修正する力。
日本の歴史の教科書は、事実の羅列。「流れ」の説明が少ない。
試行錯誤と説明。数学の証明問題で試行錯誤することを学び、論理が正確な文章を書くことを学ぶ。

