「図解 気象学入門」古川武彦&大林勇人 2011年 ブルーバックス

 女房が大好きな気象予報。話を合わせるために読んでみました。面白かった〜〜。内容は高度。「気象学そのものを深く知りたい入門者向け」で、気象予報士になりたい人以上の科学知識を解説しています。難しい部分も多かったけれど楽しめました。 以下はこの本の要約と引用です。


■ 雲のしくみ

 雲は水滴や氷の粒の集まりです。雲の粒の1個の大きさは半径0.01伉度。雲の粒は、空気中の水蒸気が小さな水滴|氷の粒になったものです。

 雨粒の落下では、秒速6〜7mに達したときに、空気による抵抗が重力の大きさと同じになって、それ以上速くなりません(終端速度)。

 半径が0.01mmの雲の粒では、終端速度は秒速0.01mになります。

 積雲は上昇する空気の塊からできています。温められて浮かぶ空気をサーマルと言います。秒速1僂両緇叉のがあれば、雲の粒は支えられます。

 底面積1^2の気柱の重さ(大気圧)は約1圈3ぬ覆旅發気任諒振儺ぐ気鰐1000hPa。これを1気圧と言います。

 浮力とは、気圧傾向力と重力の差です。気体分子が飛び回って衝突することにより気圧が生じます。気体分子の数が多いほど、衝突する時間当たりの分子の数が多くなります。気圧の大きさは、一定体積当りの気体分子の数の多さと対応しています。気体分子の速さは、衝突の衝撃と回数を決めます。

 気圧P・体積V=モル数n・気体定数R・温度T

 一定の温度、一定の気圧、一定の体積の気体に含まれる分子の数は同じです(アボガドロの法則)。

 乾燥した空気は、水蒸気が入った分だけ排除されます。窒素の分子量は28、酸素は32、水蒸気は18。水蒸気を含んだ空気は軽くなります。湿った空気では、水蒸気は、窒素と酸素に次ぐ3番目の気体です。

 水は、水面から空中に蒸発し、液体に凝結します。飽和水蒸気圧は、水と水蒸気の温度だけによって決まります。100℃で水が沸騰するのは、飽和水蒸気圧が1気圧だからです。1気圧の大気圧が水面にかかっているので、水蒸気圧もそれ以上ないと、水蒸気の泡は潰れてしまいます。

 雲が発生するとき、水蒸気はわずかに過飽和になっています。水蒸気分子が雲の粒になるには、10^14個ほどが集まらなければなりません。土埃や火山灰や煤(すす)や海塩粒子などの空中に漂う空気中のコロイド粒子(エアロゾル)には、吸湿性があります。エアロゾルは凝結核になります。塩が湿気を帯びるのは吸湿性が高いからです。

 飽和水蒸気圧に対する相対湿度を、通常単に湿度と呼んでいます。相対湿度は温度が変わるだけで変わります。飽和になる時の温度を露点と言います。

 空気は熱を伝えにくいので、外側から内側まで冷えるのには長い時間がかかります。雲では、中のほうまで冷やされることは殆どありません。

 気体が膨張すると温度が下がります。空気の塊が膨張するにはエネルギーが必要。空気の分子運動のエネルギーが減少し、温度が低下します。

 サーマルの上昇が止まった雲は、ゆっくり落下し、乾いた空気に触れて蒸発します。晴天時の積雲は、時間が経つと殆どが消えてしまいます。雲一つの寿命は数十分です。

 積乱雲の高さは日本付近では11劼らい。積乱雲の頂上は水平方向に広がります(かなとこ雲)。

 空気が地表近くで暖かいのは、太陽が地表を熱するためです。上空ほど温度が低いのは、中緯度の日本では、地上から11卍度までです。この範囲を対流圏、その上の面を対流圏界面と言います。上昇する空気に断熱膨張による温度低下が起こっても、周囲の大気よりも温度が高く、対流となり易いのです。

 成層圏の温度が上空ほど高いのは、太陽光に含まれる紫外線をオゾンが吸収するからです。成層圏は、対流圏と逆の温度分布になっているため、対流が起きにくいのです。

 500勸幣紊漏圧し。気体分子の運動速度が地球の重力を振り切る脱出速度を超えているので、空気が宇宙空間へ出て行きます。火山活動により、地中から大気に気体が補充されます。

 熱圏の下部では、宇宙からの塵が熱せられて流れ星にまります。太陽風が地球磁場が作用するオーロラができるのも熱圏の下部です。

 空気の上昇は、地表の起伏による風でも起こります。暖かく軽い空気は、冷たい重い空気の上に乗り上げます(前線性の雲)。層状の雲を作ります。

 筋雲|巻雲は7〜8勸幣紊旅發ぞ貊蠅砲任ます。水平方向に広がる雲を層状雲と言います。鉛直方向に成長する雲は対流雲です。

 上層の空気は、水蒸気量が少ないことが特徴です。雲は薄く、風に流されて筋状になります。

 団塊状の雲が層状に広がるのが「〇〇積雲」。下層で空に敷き詰められた層積雲は、積雲が集まったものと区別ができにくいことがあります。雲底が黒っぽく見えます。高層雲が厚さを増すと、乱層雲となり、本格的な雨をもたらす雲になります。

■ 雨と雪のしくみ

 水滴の大きさは、半径3mmになるのが限界です。雨粒は、雲の粒の100倍の半径があります。体積は100万倍です。

 雲の凝結核のイオンが、水分子を引きつけます。半径が大きくなると、表面から水分子が飛び出しにくくなります(ケルビン効果)。

 海上の大気には海塩粒子が多く含まれます。海塩粒子はサイズが大きく、吸湿性が高いので水蒸気が凝結し易くなっています。大きくなった雲の粒は落下し、小さな雲の粒と合体して成長します。「暖かい雨」は熱帯の海の積雲から降るシャワーのような雨です。日本では少ない雨です。

 雲の中の氷の粒(氷晶)が大きく成長し、溶けて雨粒となるのが「冷たい雨」です。

 水分子は水素と酸素が結びつく角度が120°に近いことから、結晶となるとき、六角形を基本とする形になります。

 小さな水滴ほど凍りにくいので、自然な状態で過冷却水滴が雲粒が凍るのは−33℃以下。エアロゾル(氷結核)があれば簡単に凍ります。氷と形が似ている方が結晶核に適しています。結晶を作ると分子同士の引き合う力が強固です。

 空気中の水蒸気が直接氷晶になることを昇華凝結と言います。過冷却水に対しては飽和していないが、氷に対しては飽和している状態。氷晶が水蒸気を集めても、加冷却水が蒸発して補給します。氷晶が過冷却水滴の雲粒を消費しながら成長していきます(氷晶過程)。

 地上の気温が2℃以下であれば、雪は解けずに地上まで落ちてきます。大気の湿度が低いときも、雪は融けにくくなります。雪の粒から水蒸気が蒸発しやすいので、熱が奪われ雪の粒の温度が上がりにくいからです。

 地上で巻雲を見るのは晴れたときですが、曇りのときにも、その上には巻雲があります。上層の巻雲は、その下の乱層雲に氷晶を落下させます。それが核となって、氷晶過程により氷晶が成長します。上層に巻雲、中層に高層雲、下層に層積雲の三層になっていることもあります。

 「土砂降りの雨」は、1時間に20个らいの雨量です。

 積乱雲の成熟期には雷が発生します。あられと氷晶がそれぞれ電気を帯びます。プラスとマイナスの電気が別の場所に蓄積します。雷鳴は、電流の流れにくい空気中を電流が流れる時の衝撃音です。

 激しい雨の降り始めた積乱雲には、冷たい下降気流ができます(ダウンバースト)。地表に当たって向きを変え、水平に進みます(ガスト|突風)。そして、地表の暖かい空気を押し上げて、新たな上昇気流を発生させます。夏の夕立などは、このような気団性雷雨です。自己組織化される積乱雲の流れは、世代交代を繰り返しながら右側に進んで行きます。個々の降水セルの進行方向が、セルが連なる方向と同じになっていると、集中豪雨となります。

 スーパーセルは単一の積乱雲。一つの雲の中に上昇気流の場所と下降気流の場所に分かれています。スーパーセルは寿命が長く、数時間持続します。ひょうが雲の中を循環し、大きくなります。上昇気流の速さは秒速50〜100mにもなります。日本でも、年間17個ほどの竜巻が発生しています。日本ではスーパーセルの発生は希で、マルチセルによって竜巻が発生していると言われています。

 自然に気塊を上昇させるような大気の状態を「不安定」と言います。逆に、落下するときは「安定」です。不安定な大気では、気塊を少し持ち上げるだけで、上昇気流が止まらなくなります。

 20℃の乾燥した気塊が1匸絛で10℃になります。一方、1匸絛の大気の温度は13.5℃です。自然に落下して地表へ戻ってきます。

 物質は、個体・液体・気体の間を状態変化するときに熱を放出したり吸収したりします(潜熱)。液体が飛び回る気体になるにはエネルギーが必要です(気化熱)。

 飽和した空気が断熱膨張すると、水蒸気が凝固し潜熱を放出するため、温度低下は小さくうなります。

 「上空の寒気」がある場合も、大気は不安定になります。南の海上から湿った南風が下層に入ってきたときも不安定になり、積乱雲が発達します。

■ 気温のしくみ

 気象衛星ひまわりは、赤道上空3万6千劼巴狼紊亮転と同じスピードで回る静止衛星。

 熱の伝わり方は、伝導・対流・放射。太陽から放射される電磁波全体を太陽放射と呼びます。温度が高いほど波長の短い電磁波が放射されます。全ての物質から、それぞれの温度に応じた波長の赤外線が出ています。

 大気は全ての波長の電磁波に対して透明ではありません。紫外線は成層圏のオゾン、赤外線は水蒸気に吸収され、大気を温めます。地球が受け取る太陽放射のエネルギーの内、70%が地表に到達します。

 ある波長の電磁波をよく吸収する物質は、その波長の電磁波をよく放射します(キルヒホッフの法則)。

 空気は個体や液体に比べて伝導が起こりにくく、熱伝導率は小さくなっています。風が弱く日射の強い夏の日は、地面に近いところの温度は50℃にもなります。気象観測の「気温」は、地表から1.5mの風通しの良い直射日光が当たらない場所で測ります。

 雲が増えると、温度は下がります。温められた地表や大気は紫外線を放射します。水蒸気の温室効果は、分子1個当たりの効果も大きく、分子数も多いので、最も大きいのです。地表からの放射によって起こる温度低下を放射冷却と言います。

 地表で最も太陽からの光を受け取るのは、太陽高度が90℃のとき。

 砂漠の1日の気温変化が激しいのは、乾燥していることが一因です。水蒸気が少なく温室効果が働かずに夜間の放射冷却が進むのです。沙漠の砂は空気をたくさん含むため、熱が地中に伝わりにくく、地表温度が高くなります。日本の夏は、温室効果が働いて夜になっても温度が下がりません。

 低緯度の熱は、温度の高い空気が移動したり、高温で蒸発した水蒸気が空気と共に移動したりすることで、高緯度へ運ばれます。海流も熱を運びます。

 夏至は6月の22日頃。太陽放射>地球放射となり、気温は上がり続けます。気温がピークになる8月に太陽放射=地球放射となえい、気温は下降に転じます。

 同じ緯度でも、12月では大陸の方が海洋よりも気温は低くなります。7月では大陸の方が高くなります。大陸の方が熱しやすく冷め易いのです。水はかき混ぜられて温度変化は小さくなります。海流によっても温度差は小さくなります。海洋の場合、太陽放射は蒸発に使われて温度が上がりにくくなります。

■ 風のしくみ

 風を起こす力は気圧差。気圧の高い方から低い方へ向かって働く力を気圧傾度力と言います。

 地上天気図の等圧線は、各点の気圧の観測値を、高度0mの値に補正しています(海面気圧)。

 冷たくなった気柱は体積が小さくなって低くなります。気圧の高い地点の上空から気圧の低い地点の上空に向かって気圧傾度力が生じ、空気が動き出します。冷たい空気のある地点の地上気圧は高くなり、暖かい空気のある地点の地上気圧は低くなります。

 地球は自転しています。コリオリ力は、北半球の場合、右向きに働きます。低緯度ほど小さくなり、赤道では0です。

 北西の風は、「北西の方角から吹いてくる風」です。

 風に働いている力は、気圧傾度力とコリオリ力と摩擦力。角度θは、摩擦の大きな陸上で30〜45°くらい、海上で15°くらいです。

 高気圧と低気圧の周りでは、等圧線が同心円状になっているので、曲がりながら進む風に遠心力が働きます。

 上空に吹く風には、地表との摩擦はありません。高度1000m以上で、摩擦が無くなったとき、風の方向は等圧線と平行になります(地衡風)。

 高層天気図は、等圧面天気図になっています。

 赤道付近は、気圧の低い赤道低気圧帯と呼ばれます。南北から風が吹き込む風がぶつかって上昇気流ができ、積乱雲が活発に生じます。

 中緯度にできる気圧の高い地帯を亜熱帯高圧帯(中緯度高圧帯)と言います。上空から空気が下降する時に、断熱圧縮により温度が上がり、相対湿度が下がるので、熱く乾燥した空気を伴う高気圧を作ります。陸上にできると沙漠の気候をもたらします。太平洋高気圧(小笠原高気圧)は、海洋上にできた亜熱帯高気圧です。

 亜熱帯高気圧帯の上空に吹く風は、秒速30mで地球を1周しています(亜熱帯ジェット気流)。

 亜熱帯高気圧帯から赤道低圧帯に向かって吹き出す風は、コリオリ力によって東風(貿易風)になります。亜熱帯高圧帯から高緯度側へ吹き出る地上の風は、コリオリ力によって右に曲げられ西風(偏西風)になります。

 温度が異なる空気がぶつかり合う境目の地帯を、寒帯前線と言います。寒帯前線は、低緯度から来た暖かく軽い空気が、高緯度の冷たく重い空気の上に上昇して、雲が発生しやすくなります。日本付近は、偏西風帯で、寒帯前線がかかる場所でもあります。寒帯前線の上空には強い西風があります(寒帯前線ジェット気流)。

 南半球は大気大循環のモデルによく当てはまりますが、ユーラシア大陸が横たわる北半球は複雑です。

 冬、大陸は熱を放出しやすく温度が下がります。地表の気圧が高くなります(シベリア高気圧)。大陸で高く海洋で低い「西高東低」の気圧配置になあります。日本海からの風は山脈に当たって雪を降らせ、太平洋側では「空っ風」が吹きます。

 夏は、大陸の地上気圧は低くなり、海洋上で高くなります。海から湿った風が入り蒸し暑くなります。

■ 低気圧・高気圧と前線のしくみ

 春や秋を中心に、日本周辺には寒帯前線がかかります。中緯度で発生する温帯低気圧の多くは、前線を伴っています。前線は、暖気と寒気が接する地上の境界線になっています。低気圧の周囲では、風が反時計回りに吹きます。西側では北から吹く風が寒気を南へ運び、東側では南の暖気を北へ運びます。

 温帯低気圧の南西側に伸びている寒冷前線の前線面っでは、寒気が暖気の下に潜り込むようにして暖気を跳ね上げます。前線の上空や寒気側に積乱雲ができます。

 温帯低気圧の東側に伸びる温暖前線。半円形は暖気の進む向きを表します。暖気が上昇して乱積雲などを作ります。「月や太陽が暈を被ると雨になる」は、巻層雲をつくる氷晶が光を同じ方向には反射屈折させることによります。

 関東地方では、冬から春先にかけて、本州の南の海上を低気圧(南岸低気圧)が通ると雪になることがあります。

 偏西風が、低緯度と高緯度の温度差と自転が原因となって、谷や尾根をつくるように波打つのを偏西風波動と言います。

 日本付近は、温帯低気圧が発生し通過します。大陸と海洋の境目にあり、南北の温度差が大きい場所だからです。

 停滞前線は、三角と半円の前線の記号が線の反対側についています。寒気と暖気の押す力が均衡しています。

 気象現象は複雑系。原因と結果を分けることができません。

 地表の高気圧のでき方。1)地表の近くで気柱が冷えて重くなって寒冷高気圧になります。2)気柱に空気が送り込まれる亜熱帯高気圧。赤道低気圧で上昇した空気が太平洋高気圧の上空に送り込まれます(温暖高気圧)。3)偏西風波動に伴ってできる移動性高気圧。偏西風波動と伴に西から東へ移動します。温帯低気圧と連動して生じます。日本に来る移動性高気圧ができるのは、暖かく乾燥した長江(揚子江)気団のできる場所です。

 日本付近に停滞前線(梅雨前線)ができ、雨が続く時期は「梅雨」と言われます。南アジア一帯に夏の季節風(モンスーン)が吹き始めます。同時に東アジアでは梅雨が始まります。オホーツク海高気圧は湿って低圧。東日本は「梅雨寒」となります。

 梅雨は、ジェット気流の蛇行、つまり偏西風波動と関係があります。

■ 台風のしくみ

 中心付近の気圧は低く、海面が持ち上がり、高潮が発生します。

 台風を作るのは、水蒸気の凝縮によって発生する熱によって発生する「ウォームコア(温暖核)」と風です。積乱雲から吹き出す下降気流が、台風に吹き込む湿った暖かい風とぶつかって新たな積乱雲を発生させます。台風は組織化された積乱雲の集団です。

 台風のもととなるのは、熱帯で発生する熱帯低気圧です。南北から流れ込んだ気流が収束し、多数の積乱雲が発生します。それぞれの雲から発生した凝結熱が上空に蓄積されます。低圧部が形成されると、コリオリ力により右向きに向きを変える力が働きます。温暖核が形成されると、上空から吹き出す空気が増大し、中心付近の地上気圧が低くなります。暖かい海面から流れ込み、水蒸気の蒸発量が増し、温暖核は強化されます。

 秋が近づくと、太平洋高気圧が弱まって東に後退するので、本州に接近することが多くなります。迷走台風は、太平洋高気圧が弱く、上空の風が弱いことの反映です。

 東側の風が強いのは、台風の風速に北上する台風を押す風が重なるからです。

 風の強さは、10分間の平均を用います。25/s以上は暴風雨と表現されます。

■ 天気予報のしくみ

 コンピュータ上に地球大気を再現します。格子点の一つ一つに、空気の温度・気圧・風向と風速・水蒸気量・水滴や氷晶の量などのデータを与えます。格子点の空気のシュミレーションを行い、数値予報を出力します。

 観測データは、地上気象観測と高層気象観測と気象衛星による観測から得ます。

 アメダスは、全国1300ヶ所の(主に降水量を観測する)無人観測所の自動気象データ収集システム。

 ラジオゾンデは、世界で時刻を合わせて1日2回、高度30劼泙粘兮します。ウィンドプロファイラは、上空の雲を観測します。物体に当たって戻ってくる電波のドップラー効果によって風を観測します。野球のスピードガンと同じです。

 気象衛星は、日本・欧州・中国・米国・ロシアが分担して運用しています。衛星によるデータは海洋上の観測を補うものとして活用されています。

 全ての格子点に同時刻のデータを推測して与えます。複雑系の大気の運動の予想は、小刻みな繰り返し演算によって行います。初期値敏感性を回避するために、多数の初期値を用意して、極端な予想を除き、平均化して「確からしい」予報を見つけます(アンサンブル予報)。コンピュータは、予想天気図を描画し、天気予報の案文も作成します。

 気象レーダーは、空気中の水滴を観測して降水量を推定します。気象レーダーとアメダスを連携させて雨の状況を把握します。雨域の移動方向や速度を調べ、短時間後の雨の領域を予測します(降水短時間予報)。

 予報官の仕事の重点は、気象注意報や警報の判断に移っています。予報官には、社会活動を見据えた総合判断が要請されています。

 日本のように気象予報士制度を持っている国は珍しいのです。