「X教授を殺したのは誰だ」トドリス・アンドリオプロス 2015年 ブルーバックス

 漫画だけれど … ブルーバックスです。

 著名な数学者が容疑者で、それぞれが数学の問題を出します。なんとかかんとか全問正解で、ホッ! ← 結構、危なかったんです。初歩的な問題だけれど、忘れていたり、使わないものだったりすると … でも、高校数学までのものは「忘れていない」ことが判明して嬉しかった〜〜〜。

 問題を解いた後は、ヒルベルトをはじめとする大数学者たちの簡単な伝記になっています。知らないこともあってこちらも面白かったですヨ。 以下はそういう伝記の中で、興味深いものを拾ってみました。

 まずは登場人物を一覧しておきます。

 ダフィット・ヒルベルト
 クルト・ゲーデル
 ルネ・デカルト
 コンスタンティン・カラテオドリ
 ピエール・ド・フェルマー
 アイザック・ニュートン
 ゴッドフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ
 ブレーズ・パスカル
 レオンハルト・オイラー
 カール・フリードリッヒ・ガウス
 ベルンハルト・リーマン
 ペイディアス
 マリー=ソフィー・ジェルマン
 エヴァリスト・ガロア
 オーギュスタン=ルイ・コーシー
 ジャン・バティスト=ジョゼフ・フーリエ
 シメオン・ドニ・ポアソン

・ダフィット・ヒルベルト

 「ここに問題がある。答えを見つけたまえ。数学において解けない問題などないのだ。決して知ることができない事柄など無いのだ」ヒルベルト。

 リーマン予想は、1900年のパリ会議でヒルベルトが提示した23問題の一つだった。

 現代数学の父と呼ばれ、フォン・ノイマンや高木貞治の師でもあった。

・マリー=ソフィー・ジェルマン

 彼女の死亡証明書の名前の下に記されている二つの言葉が、19世紀初頭の社会が彼女をどう見做していたのかを示している。

 「マリー=ソフィー・ジェルマン 未婚で無職」

・エヴァリスト・ガロア

 品行に疑問のある若い女性とのつきあいが決闘へと彼を導いた。決闘の前夜、彼は自分の名前を冠した理論を書き留めながら一夜を明かした。決闘相手は拳銃の腕で知られている。書くチャンスは二度と無いと悟っていた。彼は書いている「僕にはもう時間が無い」と。

・クルト・ゲーデル

 ゲーデルは、解決不可能な問題を含んでいない数学理論など無い=不完全性定理を25歳で証明した。