放送大学 特別講演「機械は考えることができるか」村上研二 2018年2月18日
生禿が取り組んでいる領域の一つである「人工知能」を、放送大学の特別講演で扱っていたので録画して観てみました。内容は、一般向けなので … 、ですがそれだけに潔く単純化したお話になっていて、大学の講義で「使える」内容が含まれていました。有難う御座いました。以下は、この講演のまとめです。*印は生禿の見解です。
<電子汎用計算機>は、一般問題解決器になり得るのではないかという幻想を抱かせた。それは、大きな問題=一般問題は小さな問題に分割することによって解けるという妄想によるものだった。
一般言語処理を計算機で行うことはできない。例えば、「双眼鏡でうどんを食べている太郎を見た」と「スプーンででうどんを食べている太郎を見た」という文章を理解することは困難だ。さらに「二人でうどんを食べている太郎を見た」になると、文脈の解釈が必要になる。個別の単語とその並び方ではなく、<汎用知識処理>は計算機にはできない。
このことに気づいた研究者は、一般問題の解決を諦め、個別課題の処理<専門化課程:エキスパート・システム>に研究の焦点を移していく。医師などが知覚した現象の記録の入力に基づき、機械が専門判断を行い半専門家(人間)に解答(助言)を与える[[知識庫〜推論機構〜(現象-知覚)記録庫]⇔ 半専門家(人間)]。
模擬神経網機構(ニューラルネットワーク・システム)には、階層型と相互結合型がある。階層型は、深層学習機構として発展した。*講演者は結合型について一言も触れていないのは、量子コンピュータを始めとする本当の人工知能を、理解できていないからだと思われる。
*深層学習は単なる計算手順であり、人工知能では無い。神経網は、相互結合型である。また、人工知能の出力を「人間には訳が解らない」というのは当然である。人間より「頭の悪い」機械を作る馬鹿はいない。人間より非力なパワーショベルを作るのと同じで、完全無欠の無駄。そんな馬鹿げたことをする人間は、人間とは言えない。人間に理解できない機械を生み出した後に、人間はどう生きるかが問われてるのであって、「機械が人間を超える」ことを問題にするなんぞは、馬鹿丸出しというしか無い。
人間が教師となって機械を教えている内は、機械は人間を超えないが、機械が機械自身によって自己改善(学習)するようになれば、機械は人間を超えた能力を発揮する。*2045年のシンギュラリティ(技術特異点)が嘘か真かなどはどうでもよく、人間の能力を超えなければ、役に立つ機械にはならないいことだけは確かなことだ。そして、人工知能が人間を超える時は間もなくやってくる。