「グーグル・マーケティング」 押切孝雄 2009年 毎日新聞社
ビックデータを学生に分りやすく、しかも、実際に自分でやってみて身につくやり方を案内した …、そんな便利な本がないかと探していたら、ありました!この本は、グーグルというビックデータのど真ん中の、そして誰にでも無料で使えるものだけで、ビックデータを実感できる優れた入門書です。ちょっと古いので、現在のグーグルのツールとは異なる部分があるけれど、それは読み換えればいいだけ。講義の直前に最新の状況を確認して講義資料を作成したいと思います。
こういう本を、最新の情報に基づいて書いたらきっと売れるだろうな〜。ビックデータの解説本は、ほとんどがIT業界の広報本で、一般の人には何にも判らないものばかり。ビックデータに関心はあるけど、ハドウープなんて知らない、という方には是非!お奨めです。
グーグル・トレンドで、「どんな言葉が検索されているか」を知ることができます。例えば、指定期間について時系列に[クリントン vs トランプ]の検索回数を比較することができます。大統領選の直前に英語で行えば、どっちが勝つか予想できます。グーグル・インサイトも検索語を調べるサービスですが、グーグル・トレンドよりも高機能で詳細な分析ができます。
ユーチューブでも、「検索語に関連した投稿数が表示される」ますし、候補者の「公式サイトの「支持する」=ページの登録ボタンを押下した人数」を知ることができます。
また、フェイスブックの候補者の公式アカウントで、サポーターの人数を見ることができます。因みに、2008年の大統領選でオバマ氏のSNSを作ったのは、フェイスブックの共同設立者のクリス・ヒューズ氏でした。インターネット選挙に勝ったと言われる所以です。大統領選に勝利した2008年11月5日オバマ氏のツイッターがカッコいいのでご紹介します。「我々が歴史を作った。このことは全て、あなたの時間と才能そして情熱によって起きたことだ。ありがとう」。
グーグル・ブログ検索では、検索語に関連したブログ記事の数を調べることができます。また、グーグル・アラートで、「知りたいキーワードを指定すると、そのキーワードに関する新着情報を自動メールで通知する」サービスもあります。
市場は、「商品を購入する意志のあるお客様(の集合)」。そして、競合とは、「同じお客様に対して活動している他社」です。グーグル・キーワードツールでは、「知りたいキーワードが月間何回調べられているか(検索市場規模)」を、「『キーワードの候補を取得』ボタンから、検索者の知りたいこと(検索語の組合せによる検索数≒見込客のニーズ)を知る」ことができます。これにより、「見込客が何を考えているのかを理解する」のです。
グーグル・サジェストでは、簡単に検索語の人気を調べられます。「グーグル検索の画面で、検索語の入力中に検索語が検索する人の多い順に表示される」「該当するウェッブページの数も表示する」(現在はこれは表示されませんので、他のツールを使います)「キーワードの需要と供給の関係を知ることができる」。現在のツールでは、供給側は、ブログ検索やユーチューブの投稿数を調べることになります。また、グーグルトップページの表示設定で、検索結果の表示件数(規定値は10)を変更する必要があります。
グーグル・ブログ検索は、「期間を指定して検索語を使用したブログ記事」を抽出できます。グーグル・リーダーでは、「ブログを登録して、更新を確認する」サービスです。また、kizasi(きざしカンパニー)でも、「ブログの書き込みの集積から、語られている言葉を知ることができる」。「キーワード・ツールで需要を、ブログ検索で供給を理解する」のが、市場分析の基本です。さらに、ブログ解析サービス“SHOOTI”で、「『良い/悪い』の評判を知ることができる」そうです。
「競合や商品のプレスリリースを調べる」には、「会社名/商品名 + filetype:pdf」で検索します。「プレスリリースはPDFで公開されることが多い」からです。