「チームマネジメント」 古川久敬 2004年 日経文庫

 暇潰し=ブックオフで百円の本。それ以上でもそれ以下でもない本でした。以下は、この本の要約と引用です。*は生禿の見解です。


≪はじめに≫

 経営組織は、フラット化し、チーム化しました。

≪1. チームの運営が鍵を握る≫

 360度フィードバックは、あなたの周囲の人々は、あなたのことをこのように見ていますよ、と知らせてあげる。(米国では、)周りの人たちと協力関係を持つきっかけにします。

 チームワークは、非正社員が多数を占める職場でこそ重要性を持っています。

・チームワークのレベル
レベル1 メンバーがうちとけあい、穏やかさが漂っている
レベル2 メンバーがチーム全体のことを考慮して活動する
レベル3 メンバー相互が触発し合い、新しい価値が創造される

 チームは、「何に取り組むのか」を探索し、考えることから始めねければならない時がある。
*日本企業の経営者は明確な展望を示せないために、部下に事業のあり方を含めて開発させようとしている。そのようなプロジェクトチームは困難を極め、メンバーは大きな苦しみを味わう。こうして日本企業は、衰退の道を確実に進んでいる。新たな飛躍の時代は、もっとずっと後になって訪れるのだろう。

 チームの存立基盤が弱まっている。リーダーの地位に基づく権限や影響力は弱まっている。

 リーダーシップは、課題を実現する上で必要な働きかけを行うこと。

≪2. 成果をあげるための準備≫

・チームの課題を見極める

 課題を明文化し、共有する。リーダとしての基軸は、チームの課題と、自分の信念。

・チームの状況と連携をつかむ

チーム状況の把握
メンバーとの面談−悩みや不足の把握
メンバーとの会合−意識と課題の共有
リーダとしての責任と権限の把握

 関係する個人や部署との連携を形成する。リーダーになったら、人見知りしない社交性と物怖じしない積極性を身につける。

・人々をその気にさせる

 チームの目標を達成し、メンバーを成長させる/育成する。

・コミュニケーションをとる

 コミュニケーションは、時間と手間と労力を要します。コミュニケーションをとることは、これらの負担を覚悟することを意味する。会議は負担に見合うものが得られないから嫌われる。相談には、誰もが前向きに応じてくれる。

≪3. チームの課題を把握する≫

 課題を把握しさえすれば、その他の不安は、連携先からの支援を得て克服できる。課題をメンバーや連携先とも話し合って設定し、共有する。

 メンバーに必要な知識と技術、判断力と行動力。コンピテンシー(業績直結能力)を再編する。不足する場合は、連携先の協力を仰ぐ。

 探索-学習を要するチームでは、メンバー主導で活動した方が、より良い学習と成果が得られる。

≪4. 時間が経つとチームは変わる≫

 メンバーの固定は、経験や知識をチーム内に蓄積する。

≪5. 時限を持つチームを動かす≫

 締切が動機付けになるのは、課題がはっきりしていて、方法を知っている時に限られる。

 メンバーはプロセス志向です。結果だけでなく、日頃の仕事ぶりを評価して欲しいと願っている。チーム活動のプロセスについてのシナリオを描き、共有する。

 誰にどこに聞けば必要な情報が得られるか(メタ知識)を持つ。

 成果が明確で知識がチーム内に存在するプロジェクトの活動は、リーダーの指示により進行する。スケジュールを設定し、共有する。

 成果が不明瞭で。技能がチーム内に存在しないプロジェクトでは、メンバーの参画型が望ましい。メンバーに裁量を与えることが成果につながる。チームの活動について、ルールを作り、互いに守る。

≪6.モチベーションを引き出す≫

 人は依存したいが、ある部分では主体でありたい。今日問われるのは、方向性と根拠。

 チームの目標を確認し、自分の目標を設定させる。チームにおける自分の役割を意識させる。目標設定面談を丁寧に行う。

 成果主義は、課題を意識化すること。明瞭な意図をもって活動する。評価する基準を作って、処遇する。目標管理制度(MBO)は、意識下の場である。業績目標と学習目標を設定する。

≪7. メンバーの業績直結能力を伸ばす≫

 コンピテンシーに差のある人同士でペアを組むと、知識ややり方が学習され、実績が向上する。

 業績直結能力は測定できる。高い業績の個人を観察し、測度とする。

 業績直結能力は学習できる。自分の経験を振り返る。他者の経験を取り入れる。意識された経験を継続し、振り返ることで、学習は促進される。

 行動習慣を身につける。行動なくして経験は無い。効果のある行動を探索し、意識して行動する。失敗と成功の要因を明確にする。

 高業績の営業チームは、受注や失注の案件を全員で振り返っていた。

 総合病院の看護チームでは、成功体験とつまずきを共有し考えていた。常時コンピテンシーと非常時コンピテンシー(ミスへの対応、トラブルへの対応)は無関係。

 リーダーが行うコーチングは、メンバーの自律した動機づけと行動を引き出す。部下の力を伸ばし、育てたい。部下の可能性を信じる。そして、リーダー自身の自己管理、誠実さ、倫理観がいい加減では、メンバーから信頼されない。

 コミュニケーションを良くするとは、時間・手間・労力を厭わない覚悟。コーチングは、時間がかかり、辛抱も必要である。

 メンバーに自分の迷いを整理させる。「答えは相手が既に持っている」が、コーチングの基本。相手の主体性を信じる。

≪終. リーダとしての自信≫

 ここぞという時に、しっかり言動する。周囲はそれを見ている。平常時はメンバーに任せ、難しい局面では先頭に立つ。どうでもいいことに拘るリーダーは、いざというときは逃げ腰。成果が出ないときでも、くじけず、誠実に、根気強くメンバーを激励し、支援する。