「戦略系コンサルファームからみたデジタルシフトと中国事情」
ボストンコンサルティンググループ マネージングディレクター 岩渕 匡敦

 先日行われた日本広告学会デジタルシフトの講演会です。事業の設計にあたっては、審美眼と可視化の能力(デザイン力)が必要だという指摘に膝を打ちました。そのとおり!

 以下はその内容のまとめです。聞き違いや勘違いがありましたらご容赦ください。*印は生禿の見解です。

 BCGはJVでデジタルサービスなどを立ち上げている。アクセンチュアとは違い、BCGは広告業への参入は考えていない。 ← *合弁事業で利益を分ち合うという収益厳選を持ち得るのはコンサル会社ならでは。広告代理店では「生意気」になるのでこれが難しい。事業を支援する広告代理店は、何を収益源泉にしたらしたら良いのか?難問なんです。

 日本のデジタルへの取り組みは遅れている。根幹に触れる部分で必然性を共有した会社は、デジタル・トランスフォーメーション(DX)に成功している。顧客体験をトランスフォーマーする会社、その本業の構造改革を進める会社が強い

 そして、関連する人材に投資をしている会社が実績を挙げている。デジタル人材の育成と、本業とデジタルのハブとなる組織作りが、柔軟で迅速な(アジャイルな)開発のための必須条件でもある。対人能力を核とするリーダーシップがDX成功の鍵を握っている。既存のプロセス型の改善とは別次元の能力が求められている。

 データ量の増大に対応して、データをどう使うか?消費行動の変化にどう対応するか?そして、ITの低価格をどう利用するか?が急所。ITにお金を使うのではなく、データで何をするかという創造性が問われている。

 自動車業界では、Webサイトやお客様相談室など顧客のモボリティの変化と顧客接点の広がりに対応したCRMやSFAへの取り組みが進行している。ここにコンサル会社が入ってきた。広告代理店は入ってこれなかった。

 小売業もデジタル化している。BCGでは、40万パターンのセグメントで、リアルタイムにアプローチするパーソナライズド・マーケティングを機械学習で実現している。顧客の体験設計が要点となる。

 中国ではソーシャルメディアが発展し、新しいメディアが購買に結びついている。1.5億人が毎日Wechatを閲覧している。購買におけるデジタルのウェイトが6割に及ぶ。スーパーモデルからブロガーのような人々まで、デジタル・インフルエンサーの影響力は大きい。ユーチューバーのようにKOL(キーオピニオンリーダー)を、エコシステム(複数の企業による協同)によるアイドル作りも盛ん。

 中国と日本では インフラが違う。中国では店舗などのリアルなインフラの遅れをデジタルが補っているという面がある。

 「ソーシャル・コマース」が大きくなっている。すべてのタッチポイントを統合する活動に注力している。グループ購買も拡大している。まとめ役へのインセンティブもある。