昔から大学生は社会常識に疎い。バイトはしていても「社会」と向き合ってはいない。

 それは必ずしも非難すべきことでもないだろう。真剣に世の中のことを考えている人間なんてもともと少ない。社会に出て、やっと身の回りの「世間」について少し考える程度なんだから。

 それでも何人かの学生は、社会設計の話に「食いついてくる」し、少しではあるが意見も持つようになってくれる。

 これからの日本は、新たな社会制度を設計する時代。「103万円の壁」も単なる「手取りを増やす」という単純な話ではない。「扶養家族って不要!?」「結婚したら女は男に養われる存在?!」「法律婚と事実婚を区別する理由は何か?」「子育ては法律婚とは関係ない!?」「一人の社会人として社会保険に加入するのは当然!」 … じゃあどうするの?

 フランスでは、法律婚も事実婚も区別はない。配偶者が扶養家族なんて、シーラカンスな制度を持つ先進国?は日本ぐらい。だから日本は後進国以外の何ものでもない。

 若い頃、エジプトに行った。買物をしても「食べ物が タダみたいに安い」「外国人向けのお土産屋さんはともかく、現地人向けのお店はとんでもなく安い」。そうなんです。これは今の日本と全く同じ。伝統文化のある物価が滅茶苦茶低い後進国。外国人天国なんですよ。

 中国人のマナーが悪いなんて言いますが、私の若い頃、日本人は欧州では、マナーを知らない笑い者でした。

 学生たちには、日本と言う後進国を先進国にする必要はないけれど、若い人の努力が報われる「真っ当な」国にする社会制度設計を目指して欲しいんです(勿論、私だってできる限るのことはしますよ)。とりあえず、力一杯!いい講義をしなくっちゃ !(^^)!

 20241101川越

 講義の帰り、川越の街をブラリ。大衆芸能のポスターを見上げながら、健全な大衆の力が育まれることを祈りました。