昼食を済ませて東博へ。本当は「横尾忠則 寒山百得」展を観たかったのですが、女房がインドに行っているので、特別展の券が手元にありません。し方なく、常設展を少しだけ。しかも、動物園でカメラは電池切。し方なくガラケーで撮っています。

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 毘沙門天立像(平安時代/奈良-中川寺)。ふくよかで華麗な平安仏 … 毘沙門天には似合わないような気がしてしまいます。

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 阿弥陀如来坐像(平安時代/長楽寺)。大らかさを残す平安仏。地方の仏像らしい親しみやすさ?なのかな。

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 太刀 古備前包平(名物 大包平)。包平は平安時代の名工。その代表作が「大包平」。大振りな刀身、乱れ刃の波紋。雄大な「作品」です。人斬り道具としてではなく、呪術の用具としての迫力があります。これじゃあ、重すぎて戦場で斬り抜けるという訳にはいかない代物です。

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 秋草に鹿図大小鍔(古川一知/江戸時代)。秋草文様の特集をやっていたからでしょう。面白い鍔が出ていました。精巧な細工です。こうなると刀剣も、武器ではなく、美術工芸品ですネ。でも美しい。日本で「秋草」ほど愛好された文様はありません。

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 「横尾忠則 寒山百得」展の関連展示として、寒山拾得図の特集も組まれていました。寒山と拾得は唐の詩僧。「風狂は禅宗において重要視され、絵画の題材としてしばしば描かれています」とのこと。中国の文人たちは、世間の規範から逸脱することを肯定していたようです。日本でも鎌倉時代以降、数多く描かれるようになります。

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 寒山拾得図(孫克弘/明時代)。なんかゲイっぽく見えちゃうんですが … ひょっとすると …。

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 豊干禅師(河鍋暁斎/明治時代)。豊干は唐時代の禅僧。虎を飼い慣らし、寒山拾得の師として知られました。

 解説によれば、「禅宗はインドから中国に渡来した達磨を初祖として中国で成立した」は通説ですが、「釈迦の悟った真理は、文字や経典に拠らず、座禅を中心とした修行の過程で習得する「悟り」によって、師の心から弟子の心へと直接伝わるもの」は神秘主義に陥っていて支持できません(私が学んだのは、曹洞宗ですが、お坊さんから釈迦の教えを教えを教わったことは一度もありませんでした)。

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 柿本人麿自画賛(近衛信尹)/安室桃山時代)。柿本人麿の字を崩すことによって簡略に人麿像を描いています。面白いな〜。

 特集「近世のやまと絵」も特別展「やまと絵」の関連展示です。

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 当麻曼荼羅縁起 巻下(狩野養信/江戸時代)。奈良當麻寺の草創に関わる女性貴族の逸話を描いた絵巻。阿弥陀如来と諸菩薩が来迎する様子が描かれています。