天照大神が隠れた洞窟を塞ぐ天の岩戸をぶん投げたら、この地に落ちた。戸隠山はそれを象ったと言われています(天の岩戸だと称される大きな一枚岩は他所にあるのですが)。とにかく、戸隠は大和朝廷にとって「無視できない」地域であり、「大和朝廷と何らかの関わりを示す」ことで取り込もうとしたことは事実でしょう。

 戸隠から遠くない諏訪の地には、大国主の尊の息子の一人が国譲りに反対し、この地に逃れたとの伝説が伝わります。諏訪を治めていた大国主の息子との物部守屋は争いを止め、古い神である守屋神を護り、守屋家が諏訪神社の宮司として継承されることを条件に和解します(出雲大社と似ているな〜)。現在まで宮司は守屋です。

 諏訪には、守屋神以前の「みしゃぐち(先史時代の信仰なので字は不明)」信仰も残っています。守屋はこれを否定せず、共存しています。みしゃぐちは、石棒(男根)を信仰の対象とします。明らかに縄文の信仰と考えられます。

 このように長野は、旧石器以降の様々な信仰と文化を、滅ぼすことなく融和して存続した地なのです。全てを滅ぼし皆殺しにする弥生〜大和とは異なる人々とその文化が息づいていたのです。その痕跡を探したい。それがこの旅の目的でした。

20210502X2s125 20210502X2s130
 長野の旅、二日目は雨。大降りではありませんが、しっかり濡れる雨になりました。

20210502X2s137 20210502X2s139
 大きな木の洞。狸が住んでいても不思議ではない穴でした。

20210502X2s142 20210502X2s144
 川の畔には雪が残っています。最近降った雪なんでしょうね。

20210502X2s150 20210502X2s154九頭龍社
 九頭龍社。祭神は九頭竜大神。天岩戸が化成した戸隠山の守護神にして、天手力雄命を迎えた大神です。虫歯の神、水分神でもあります。アニメ「龍の歯医者」はここから取ったのでしょう。

20210502X2s159 20210502X2s162
 奥社の参道の狛犬。立派な尻尾が印象的です。

20210502X2s168 20210502X2s172
 小川の畔に奥社があります。山道の写真でもお分かりのようにとにかく物凄い人出です(写真は人の少ない時を狙って撮っているのですが)。参拝も長蛇の列。女房は御朱印を頂くのに30分近く並んでやっと買うことができました(しかも、その御朱印は貼付けです)。

20210502X2s177 20210502X2s180
 また、雨の山道を戻って中社へ向かいます。所々に案内の標識があり、迷うことはないのですが、とにかく雨で寒い。途中のトイレは待ち行列。山深いお社とは思えない雨の中の混雑でした。

20210502X2s194 20210502X2s199
 歩いていくと、このような祠があり、中に小さな石仏があります。信仰の山という感じは漂っています。

20210502X2s203孝子稚児の塔.JPG
 孝子稚児の塔。このお山には様々な伝説があるようです。

20210502X2s210
 野生の蘭の一種でしょう。在来種なんでしょうか?

20210502X2s216 20210502X2s226
 公明院。説明が無いので何かは判りません。公明だから創価学会関係?だったら不動明王の石像は変かな?

20210502X2s228女人堂跡
 女性のための奥社遥拝堂の跡(女人堂跡)。明治時代になり女人禁制が解かれて御堂も取り払われたそうです。

20210502X2s236
中社。なんとも落ち着いた佇まいです。

20210502X2s254
 裏手にはこんな小滝が。でも「〇〇修行の滝」なんて野暮な立看板は無し。正直で押しつけがましいところが無い。皆殺し遺伝子を発現させた弥生人以前の血が残る場所ですね。

20210502X2s269 20210502X2s270
 狛犬さんが妙にリアル。これは完全に犬ですね。

20210502X2s273火之御子社 20210502X2s276
 こちらの狛犬さんは、フツーです。体躯が大きいのが、おっぱいを出している女を守らきゃという意気込みを感じます?

20210502X2s282
 火之御子社。祭神は、天の岩戸の前でストリップした天細女命。奥社に天手力雄命を祀るなら、乳房と女陰を震わせて踊った彼女を呼んでこない訳はありません。

20210502X2s283西行桜.JPG
 西行桜です。春には花を咲かせるのでしょうか?観光資源ですから、何とかするんでしょうね。

20210502X2s294 20210502X2s298
 歩いていくと … 「NHK小鳥の声放送記念碑」訳は解らないけれど、記念です。

20210502X2s301伏拝
 こちらは、伏拝。宝光社の祭神天表春命が飛来し、「奥社は女人禁制で冬は登拝が困難である。老若男女がお参りできる社を建て、我を安置せよ」と申されました、との伝説が残るそうです。

20210502X2s320 20210502X2s322
 山道は続きます。雨は激しくはなく、山道も険しくはない。それでも寒い!見事な杉並木を歩く女房も寒そうです。

20210502X2s324宝光社
 宝光社。神仏習合時代の面影を残す寺院建築の様式を取り入れた権現造りの本殿です。

20210502X2s336 20210502X2s337
 彫刻もなかなかのものです。

20210502X2s361 20210502X2s351
 狛犬は … 不気味!顔がデカイ!神を護るのに相応しい面構えです。

20210502X2s374
 参ったのは、戸隠神社の7年に一度の戸隠神社式年大祭の期間でした。令和の岩戸開き「清明(さやけ)」と称して神楽などを奏しているようでした。因みに、清明は、戸隠神社太々神楽の「岩戸開きの舞」において唱える言葉だそうです。

 戸隠神社は、奥社・中社・宝光社からなり、平安時代から修験道が行われていた地。残虐非道な大和とは異なる何かが息衝いているのでしょう。今回の旅では、残念ながらそれを感じることはできませんでしたが … 。

20210502X2s379
 宝光社の前のお蕎麦屋さんで昼食。蕎麦も山菜の天婦羅もとっても美味しかった。この旅で一番のご馳走でした。嬉しい!

20210502s003
 帰りの新幹線の中。黒雲が空を覆い尽くしていました。

20210502s005
 ですが、大宮に近づくと、黒雲は消え、青空が広がっていました。最近、女房と旅に出ると雨や風に祟られます。日頃の行い?いやいや二人共に良い子です!何故だろう? ← 訳なんかある訳はないのですが。