今回の講義は、この科目のハイライトの一つ「感情を勘定する」がテーマ。経済学は「効用=感情をどうやって計測するか」という工夫と、銭勘定=会計の基礎となる費用の考え方が土台になっています。なのですが、この二つをきちんと説明できる先生はほとんど居ません。少なくとも私の出身校の早稲田大学にはいらっしゃいませんでした。そこで、慶応大学の辻村幸太郎先生の講義を受け(無許可で)、(先生にご許可を頂いて)研究室に入り浸って、あのサミュエルソンが激賞した「効用関数の実測」について、熱い議論を交わさせて頂きました。だから私の経済学は、世界で初めて効用関数の実測に成功した辻村先生の直伝なんです。それを基礎にしないと、薬学部で教えるべき「QOL(生活の質)≒健康に基づく幸福の測度」を論ずることは不可能です。残念ながら、日本のQOL研究者は、経済学の基礎を理解していないので、QOL計測の基本的な考え方を理解していません。これが、私が薬学部に非常勤講師として招聘されている最大の理由です。
ですから、この回は大きな山。講義を終わると役割を果たした感があってホッとします。という訳で、余韻を味わいながらのお散歩が恒例になっています。
お散歩の前にまず昼食。教員食堂が閉鎖されているので、学生食堂で学生たちと一緒に並んで、衝立のある味気ないテーブルで、大勢の中で「独りぼっち」です。次回からは、私の講義を履修してくれている学生とカフェで食事ができるといいな〜。
朝は見逃していたのですが、毎年、秋になると刈り取った稲藁を干していた田圃が、草だらけ。背高泡立草の繁殖力ですから、休耕田になったらアッという間にこうなります。農業を継ぐ人が居なかったのでしょうか?ここが田圃だったとは、以前を知る人以外には想像もできないでしょうね。
そっと音を立てないように堰に近づくと、いつものように堰の前、魚を狙い易いスポットに、白鷺さんが長い首を動かしています。ですが、周りを見渡しても、蒼鷺くんは居ません。朝は白鷺さんをナンパしに来ていただけなんでしょうか?
駅の裏はお墓。六地蔵と観音があります。駅近でお参りが捗(はか)るのは、田舎の駅ならでは。そんなことに感心していたら、電車を一本の逃してしまいました。単線なので次の電車までの時間は長い。喉が乾いたので、自販機の「午後の紅茶」しました。