三回目は医師の立場からのお話でした。
近代ホスピスの原形は、マザー・メアリー・エイケンヘッドの「ホーム」。短期間でも、死に至る直前に、人間らしく世話を受ける「ホーム」を提供した。マザーテレサの取り組みと同じ精神。インドの町を、朝トラックで走り、氏の迫った路上生活者を「死を待つ人の家」へ連れて行く。元気になった人は、路上に戻す。
セント・クリストファー・ホスピスは、シシリー・ソンダースによって設立された。ソンダースは、看護師として、ソーシャルワーカーとして、医者として、クリスチャンとして終末医療に関わった。ホスピスが注力すべきことは、1)疼痛コントロール、2)チームケア、3)対話、であるとした。
癌は衰弱する病気であり、身体の苦痛ばかりでなく、仕事を失うなど社会的な苦痛も伴う。
WHOの緩和ケアの定義は、「緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、疾患の早期より痛み、身体的問題、心理・社会的問題・スピリチュアルな問題に関してきちんとした評価を行い、それが障害とならないように予防したり対処したりすることで、QOLを改善するためのアプローチである」。
ホスピスケアは、死を間近にした人々に提供される。緩和ケアは、全人格ケアの期間を拡大したもの。死が予想される患者に対するケアでであり、死が間近とは限らない。
高齢になる程、癌に罹る可能性が高くなる。日本国民の2人に1人が、癌で死亡すると予測されている。
突然死以外では、癌は急に死んでいく病気。短期間の変化を、患者と家族と医療者が共有する。癌は急に死んでいくので、「どうせ死ぬなら癌が好い」という人もいる。
死ぬ30日前ぐらいから、様々な症状が増える。全身倦怠感と食欲不振が多くの患者に見られる。
終末期とは、治療ができず、予後半年以内と推定される状態。
癌患者の2割は、病状が急変し、死亡する。癌は突然に変化する/急変する可能性がある。
食事や水分の摂取が減少する。食べられない程に衰弱していく。それは、点滴では補えない。点滴は過剰になることが多い。病理解剖すると「溺死したような」状態になっている。身体が受け付けないのであるから、水分と栄養が過剰になる。
意識は最後まで残る場合が多いが、亡くなる1〜2週間前には、譫妄(せんもう)が出現することが多い。脳の機能の低下により、幻覚を見ることもある。ウトウトしているので、夢と区別がつかないことや、薬で幻覚が起きることもある。周囲の人が幻覚を否定しないようにする。 幻覚に出てくる人は、既に亡くなった人が多い。これを「お迎い現象」と呼ぶ人もいる。
=ホスピスケアの要点=
・苦痛症状を緩和する
痛みが取れると、これまでとこれからを考え始める
・嘘をつかない
適切な医療情報を伝える
あとどのくらい?に対しては、期間はわからないが、どんなことが起きるか、を話す
コミュニケーションが難しくなるので、大切な話は早めにして下さい
・チームケア
様々な機能=人々が必要
・死に関する話題を避けない
患者さんが口にしたら(の話)
どうして何が恐いのか?
死んだらどうなる? → 宗教者を紹介することもある
死んだらどうなると思いますか?」と聞くと、次の世(あの世)があると思う人が多い
・自己肯定の苦悩(スピリチュアル・ケア)
トイレの問題
あむつをして生きている意味があるのか?死にたい!
生きている意味を失う
傾聴し、受け止める人がいてくれることにより、変わってくる
・遺族の悲嘆ケア(グリーフケア)
少しでも良い思い出に/傷にならないように
立ち直らせようとしない
悲しみを乗り越えることはできない
遺族同士で支え合う会などの運営
敏感になっている人は、ちょっとした体の動きに対しても、過敏に反応し、心を閉ざしてしまう。細心の注意を払って、気を静めて、穏やかに。慰めても、励ましてもいけない。それが、傾聴の心得である。
近代ホスピスの原形は、マザー・メアリー・エイケンヘッドの「ホーム」。短期間でも、死に至る直前に、人間らしく世話を受ける「ホーム」を提供した。マザーテレサの取り組みと同じ精神。インドの町を、朝トラックで走り、氏の迫った路上生活者を「死を待つ人の家」へ連れて行く。元気になった人は、路上に戻す。
セント・クリストファー・ホスピスは、シシリー・ソンダースによって設立された。ソンダースは、看護師として、ソーシャルワーカーとして、医者として、クリスチャンとして終末医療に関わった。ホスピスが注力すべきことは、1)疼痛コントロール、2)チームケア、3)対話、であるとした。
癌は衰弱する病気であり、身体の苦痛ばかりでなく、仕事を失うなど社会的な苦痛も伴う。
WHOの緩和ケアの定義は、「緩和ケアとは、生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、疾患の早期より痛み、身体的問題、心理・社会的問題・スピリチュアルな問題に関してきちんとした評価を行い、それが障害とならないように予防したり対処したりすることで、QOLを改善するためのアプローチである」。
ホスピスケアは、死を間近にした人々に提供される。緩和ケアは、全人格ケアの期間を拡大したもの。死が予想される患者に対するケアでであり、死が間近とは限らない。
高齢になる程、癌に罹る可能性が高くなる。日本国民の2人に1人が、癌で死亡すると予測されている。
突然死以外では、癌は急に死んでいく病気。短期間の変化を、患者と家族と医療者が共有する。癌は急に死んでいくので、「どうせ死ぬなら癌が好い」という人もいる。
死ぬ30日前ぐらいから、様々な症状が増える。全身倦怠感と食欲不振が多くの患者に見られる。
終末期とは、治療ができず、予後半年以内と推定される状態。
癌患者の2割は、病状が急変し、死亡する。癌は突然に変化する/急変する可能性がある。
食事や水分の摂取が減少する。食べられない程に衰弱していく。それは、点滴では補えない。点滴は過剰になることが多い。病理解剖すると「溺死したような」状態になっている。身体が受け付けないのであるから、水分と栄養が過剰になる。
意識は最後まで残る場合が多いが、亡くなる1〜2週間前には、譫妄(せんもう)が出現することが多い。脳の機能の低下により、幻覚を見ることもある。ウトウトしているので、夢と区別がつかないことや、薬で幻覚が起きることもある。周囲の人が幻覚を否定しないようにする。 幻覚に出てくる人は、既に亡くなった人が多い。これを「お迎い現象」と呼ぶ人もいる。
=ホスピスケアの要点=
・苦痛症状を緩和する
痛みが取れると、これまでとこれからを考え始める
・嘘をつかない
適切な医療情報を伝える
あとどのくらい?に対しては、期間はわからないが、どんなことが起きるか、を話す
コミュニケーションが難しくなるので、大切な話は早めにして下さい
・チームケア
様々な機能=人々が必要
・死に関する話題を避けない
患者さんが口にしたら(の話)
どうして何が恐いのか?
死んだらどうなる? → 宗教者を紹介することもある
死んだらどうなると思いますか?」と聞くと、次の世(あの世)があると思う人が多い
・自己肯定の苦悩(スピリチュアル・ケア)
トイレの問題
あむつをして生きている意味があるのか?死にたい!
生きている意味を失う
傾聴し、受け止める人がいてくれることにより、変わってくる
・遺族の悲嘆ケア(グリーフケア)
少しでも良い思い出に/傷にならないように
立ち直らせようとしない
悲しみを乗り越えることはできない
遺族同士で支え合う会などの運営
敏感になっている人は、ちょっとした体の動きに対しても、過敏に反応し、心を閉ざしてしまう。細心の注意を払って、気を静めて、穏やかに。慰めても、励ましてもいけない。それが、傾聴の心得である。