「新しい高校地学の教科書」 その4
杵島正洋/松本直紀/左巻健男 2006年 ブルーバックス
最後は天体です。以下はこの本の引用と要約です(概要のみ)。
■ 太陽系を構成する天体
太陽が天球の中を移動する道を「黄道」という。黄道上の12の星座により占星術の概念が生まれた。
ニュートンの万有引力の法則は、経験則だったケプラーの法則に裏づけを与えた。
太陽系の惑星は、岩石でできた地表を持つ地球型惑星、体積のほとんどが水素やヘリウムでできている木星型惑星、内部に氷がある天王星型惑星に分類される。火星軌道と木星軌道の間に、小惑星が多数存在する。
太陽系の天体は46憶年前にほぼ同時にできた。太陽から隕石に至るまで、太陽系の全ての天体は同一の材料からできている。
太陽系が位置する銀河系の円盤部には星間物質が集まっている場所(星間雲)が多く存在する。星間雲でない場所では、1cm^3あたり分子が1個程度しかない。
地球の大気は、微惑星が衝突・合体する際の熱により、岩石中に含まれていた揮発成分が放出されたものと考えられている。
太陽風は、主に電子や陽子。強いエネルギーを持つ。宇宙からの荷電粒子は、地球の磁場によって地上への侵入が防がれている。大気圏と衝突するとオーロラとなる。
太陽の中心部は1500万K、表面は5800K。黒点は4200K。黒点は太陽内外の磁場の出入り口。黒点数は11年の周期で増減する。黒点数の多いときほど太陽活動は活発で、フレアと呼ばれる爆発現象が頻発する。その爆風が地球を襲うと、電離層を乱して通信異常をもたらしたり、人工衛星に障害を与えることがある。
太陽の外側の部分はコロナ。コロナは、太陽から吹き出したガスや荷電粒子。温度は100万K。
系外惑星は、太陽系以外の惑星。
■ 恒星と銀河、宇宙の広がり
地球が公転すると地球に近い星はわずかに動いて見える(年周視差)。
物体はその表面温度に応じた波長の電磁波を放射している。明るさと色を組み合わせたのがHR図。吸収線の波長は、星の大気に含まれる元素の種類などによって異なる。星の9割は主系列星。表面温度が低いが明るい赤色巨星。高温で輝く小さな星は白色矮星。
誕生して間もない星から臨終を迎える星までを並べて、星の一生を理解する。
分子雲は、分子を含む高密度な星間雲。
中心部の温度が1000万Kを超えると、水素がヘリウムに変わる水素核融合が始まる。星は安定して輝く(主系列星)。
星は、重力による収縮と熱によって膨張しようとする圧力の釣り合いでその大きさを保っている。
星の寿命は、星の質量で決まる。小さい星の方がゆるやかに核融合を続けられるたえ長命。
太陽質量の3倍以下の星は、赤色巨星として輝き、やがて「燃えかす」が白色矮星になる。
太陽質量の3〜10倍の星は、ヘリウムどうしが核融合を始め、炭素や酸素が形成される。熱暴走により爆発する。超新星爆発は星の最後の閃光である。超新星爆発では、鉄より重い元素が形成される。
太陽質量の10倍以上の星は、さらに重い元素が作られる。鉄は最も安定した元素なので、鉄が核融合することはない。星は自らの重力を支える力を失って収縮し続け(重力崩壊)、超高密度の中性子星になる。パルサーは中性子星であると考えられている。中性子星がどこまでも収縮するとブラックホールになる。
天の川銀河は、数千億の星の集合体。太陽系は円盤部にあり、2億5千万年の周期で回っている。バルジとハローには年老いた星が多く分布する。円盤部には若い星と星間物質が多く分布する。
渦巻銀河は、銀河の一般的な姿である。
銀河の中心部には巨大なブラックホールがあると考えられている(超大質量ブラックホール)。
宇宙の大規模構造。銀河が密に存在する領域に囲まれて、銀河が分布しない領域がある。銀河でできた泡膜が何もない空間を包んでいるように見える(宇宙の泡構造)。上下に描かれていないところは、天の川銀河が障害物になり観測できないところである。
アインシュタインの一般相対性理論では、重力が周囲の時間と空間を決定する。方程式は、[時空の構造=物質のエネルギー]という形をしている。
宇宙の始まりは、「無と有の間を揺らいでいた」と考えられている。
WMAPは、宇宙背景放射の揺らぎから直接求めている。宇宙のエネルギー分布を決めることにも成功した。通常の物質(エネルギー)は、宇宙全体の4%しか存在しないことがわかった。
