先日、POSデータの分析について相談を受けました。

ID無しのPOSデータで買った人が類推できるか?という質問です。勿論、出来るに決まっています。何故なら、ID-POS以前にも、ID無しだからこそ、「どんな人が買っているのか」を知りたいと願った人は沢山いました。そして、工夫をすればたいていのことは可能です。出来ないのは、工夫をする意志が無いからです。

例えば、子供用の紙お持つを同時に買っていたら、乳幼児がいることは誰でも分りますよね。このように同時購買の内容(買物籠の中味)で類推できます。私が良くやるのはカレールーの「味」。♪林檎と蜂蜜♪ならお子ちゃまカレーだし、「大人の辛さ」なら子供はいないでしょう。また、挽肉のグラム数で家族人数が推定できます。同時に何を買ったかでメニューが分りますから、レシピから一人当りのグラム数を出して、人数を割り出すのです。挽肉のグラム数は今でも家族人数を割り出すのに用いられています。

また、「同一店舗フォーマットの店のID-POSの同時購買と突合させて推定する」のは『机上の空論』で、その店の同時購買だけで類推するのが正解です。日本では、店舗フォーマットが確立されておらず、店舗の個別性が高いので推定が難しいのです。

ID-POSによるプロフィールは、おざなりのマーケティング調査が提供するフェイスシート的な人物像という観点では顧客属性であるかのように見えます。ですが、ホンモノのマーケッターなら、「こういう買物をする人」というハッキリしたショッッピングプロフィールの方が多くのマーケティングアイディアを創出するものとなることは言うまでもありません。

何でもIT頼りの低能マーケッターは工夫をしません。工夫をしないマーケッターは今猿と同類のサルです←お猿さん御免ね!